09:HEAVEN OR HELL
「ブラブラギッチョンー!」
たたかいだ!
やかましいたたかいだ。
「おれ…このたたかいが終わったら結婚するんだ…」
なんてふざけたナレーションを自分で入れているところ、弾が直撃。クイックストライクは死亡フラグをみごとに回収して吹き飛んだ。
再生カプセルの中、意識を取り戻したクイックストライクはボンヤリ。
ガラスの向こうにカオが見える。
「カオちゃん?」と発声するものの、あまりにか細い声。カオには届かなかった。その代わりに装置が音を鳴らした。その音に飛び上がったのはカオである。
「クイックストライクが!戻った!」
ぱっと笑ったかと思えば、カオはボロボロと泣き出す始末。装置を抱きしめているのが悔しい。自分が外にいれば、きっと抱きしめられているのは自分のはずなのに。
「心配してくれてたギッチョン?」
「胸が張り裂けそうなくらい」
「胸が…」
胸に目を向ける。いや、今胸を気にしている時ではない!
サソリがそんなことを考えている間にコブラはカオにすり寄って、頭を撫でてもらっていた。
「よしよし」
「ブラブラ」
自分の身体の一部ではあるが、少し複雑のクイックストライクである。
「カオちゃん…俺、カオちゃんのことを考えていたギッチョン」
「うん?」
「戦うことばっかり考えていた俺だけど、今はカオちゃんのことも考えるギッチョンチョン」
「んふふ、いろんなこと考えようになったってことかな」
ふざけてみせた時もカオはよく笑うが、なんだか、そういった時よりも柔らかな笑い方だった。
「私はみんなのこと考えていたのに、今は戦いのこと考えるようになったの」
「カオちゃんも戦うのが好きになったギッチョン?」
「ううん、クイックストライクは戦いが好きでしょう。だからね、戦いに行っても無事に帰って来ますようにとか思っていたら、自然と戦いのことを考えるようになってた」
よしよしと今度はクイックストライクがカオの頭を撫でた。どうしていいかなんて、クイックストライクにはわからない問題だったし、カオもどうすることもできないことを理解していた。戦わなければ殺されるし、戦いをやめれば実刑だろうから。