10:FLY OR STAY
「あ」
ばったり会ったのはパタパタ犬、と呼ばれていたサイバトロン。殺される!と身構えたカオだったが、パタパタ犬は銃を向けなかった。
「ノー。攻撃はしません。あなたはどうしてか、デストロンらしくはないですから」
「パタパタ犬さん…」
「不思議と人質にも見えません、ホワイ、何故です」
何故かと言われても。そういえば何故なのだろう。デストロンから逃げようと思ったことはなかった。
そんなことがあったからか、カオは不思議な気分になっていた。基地に戻ってからというもの、うわの空であった。
「悩ましい顔してどうしたギッチョン?」
声をかけてきたのはやはりクイックストライク。
「クイックストライク、もし私がサイバトロンに逃げ込んだらどうする?」
「ギ?」
「追いかけて来たり、殺したり、する?」
予想外の質問に、クイックストライクは驚いた。カオは冗談で言っているのか、それともそういう計画があるのか。クイックストライクはそういった感情を読み取り方を苦手としていた為、わからない。
「俺はサイバトロンではやっていけないギッチョン。それにそんなことしたらどんなお仕置きがまっているかわからないギッチョンチョン!」
「じゃあ、クイックストライクはここにいるのね」
ふうん、とカオは頬杖をつく。
「それなら私もここにいたいな」
「なんだそりゃ、ギッチョン」
「だってサイバトロンにクイックストライクはいない。あっ!そういうことよね。なんだそうか、そうよね」
変なカオだとクイックストライクは思った。
「私クイックストライクと一緒にいたいの」
「ギッチョン!」
「それだけなの。ふふ、サイバトロンにクイックストライクはいないから。なんだそうか」
それからすぐにシルバーボルトに再会した。デストロンにいるのはクイックストライクがいるからで、サイバトロンにはクイックストライクはいないからと伝えた。
シルバーボルトは「人を好きになることは良いことです」と嬉しそうにしていた。