両目とも2.0
「ドレークさん、今見ました?」
「おれはなにも」
甲板にて。
ドレークさんは90°首をまわして断固として見ていないと言い続ける。パンツのはなし。今日はよく帆が張るなあなんて日だった。ぺろんとめくれたスカートをおさえて、乱れた髪を戻しながら、思わずつむった目を開ければ、そこにはドレークさんが突っ立っていた。
「ムッツリなドレークさんが見てないとは思えないんですけどね」
「誰がムッツリだ。見ていない!」
「これで見ていないなんて、よっぽどわたしに興味がないか、老眼始まってるかですよ。もうおじいちゃんなんだドレークさんは…」
頭をガシガシとかき乱して、いつもと違う一面のドレークさんは面白かった。
「おれは目が悪いんだ」
「そうでしたっけ」
「だから見ていない、気にするな」
ドレークさんはとっても優しい紳士です。でも嘘が下手です、絶対に目は良いもの。
ぽん、と置かれた手はとても熱かった。