いつかまた来る日を

「好き!です!」

そんな声がこだまするこのまちは、よくドレークたちが立ち寄るまちであった。食料品やら日用品やらを調達するのだという。やっぱり生活をするには必要なものがたくさんあるんだなと最初は微笑ましくも思った。

「ドレークさん!好きです!海に連れて行ってください!」

「却下だ」

「こんなに愛しい人を残して海に出て胸が痛みませんか!」

「いつからお前が愛しい人になったんだ」

そんなやりとりはこの店の名物のようなもので、ドレークが立ち寄れば、店員のカオは直ぐに愛を叫んでいた。

「現地妻にしてください!」

「意味をわかって言っているんだろうな」

店長はふたりのやりとりを笑って見ている。おもしろいので、止める義理はないという。

「ドレークさん!雑用ならなんでもします!雨戸も開けます!ごはんも作ります!お布団干します!ドレークさんたらあ!」

わんわんと喚きながら、ドレークの服にすがりつくカオ。ドレークは帰ろうとズルズルとカオを引きずり歩いた。

「ドレークさん行かないで!」

「お前が止める権利はない」

「冷たい!あードレークさん!」

ひっぺがされたカオは猫のようにポイスと首根っこをつままれ投げられる。

店長は勘定をしながら、「嫌ならこの店に来なきゃ済む話だろう」とドレークを笑った。

「またいつか来る」

そう店長にだけ伝えて、ドレークは海に出て行くのだ。