修行僧の歩み

「ドレークさん!今日はデートしましょう!」

「しない!離せ」

「うわーん!」

泣きじゃくりカオは今日も今日とてドレークのマント部分にしがみついていた。

船長とカオのやりとりを船員たちは内心面白く思っていた。面白いもっとやれとは言えないが、この二人を見るのは楽しみな行事であった。

「ドレークさん好きです…」

かわい子ぶってそう伝えるカオ。側から見ている船員たちからは、オオ…と声が聞こえる。対してドレークは、ひとつため息。

「1回でいいのか」

「できれば500回…」

「よし0回だ」

「いちどでお願いします」

カオは子鹿のようにビョコビョコと跳ねて喜んだ。明日の約束を取り付けて、上機嫌になったカオはドレークにガバッと抱きついて、それから帰った。

帰ったことを確認すると、ドレークは倒れた。怪我か、病か、いやそうではない。

「船長、よく耐えましたね」

「おれたちもヒヤヒヤしましたよ」

「まったく船長も素直になったらどうなんです。あ、でも女に弱いんでしたね」

周りで船員があれやこれやと好きなことを喋り、ドレークを囲んだ。

「弱くねえ!」

ドレークはそう叫ぶ。

「女じゃなくて、カオさんに弱いんでしたね。大丈夫なんですか?おれたちの予想じゃ、1時間が限界でしょう」

ドレークはある意味で病である。カオのことを考えたら胸が張り裂けそう病、またの名をヘタレいじっぱり。

いつも真面目な顔でドレークはカオに耐えていた。ドキドキバクバクする心臓を感じないように意識しないようにとそれは苦労している。…というのが真相で、いつもすぐに帰れデートもしないと断っていたのは、カラダが持たないからだ。

ついに明日、決戦の日となる。

「ドレークさん!ドレークさん!」

「なんだ」

「今日はずっと楽しみだったんですよ、ほら私ドレークさん大好きじゃないですか。服も靴も買って準備して、あ!ドレークさんは今日もかっこいいですね!」

心配で跡をつけていた船員は、

「出たカオさんのストレートフラッシュ!船長は白目むきかけてる!船長頑張って!」

と、そう叫ぶ。ドレークはといえばふらふらとすでに倒れる寸前だ。

「お、おう」

「耐えた!船長!」

「ドレークさんドレークさん!パフェをつつき合いましょう!」

「ウウ…」

胸を押さえて耐えるドレークと、隠れてハラハラする船員たち、ここぞとばかりにイチャイチャしたいカオ。

「ドレークさん!あーんしてください!」

「しない!ウッ…」


ドレークが、よく耐えましたね!と言われるまであと半日。