黄色い電車
「いらっしゃい」
女になっていた。イナズマさんが出迎えた姿は女性の姿で、私はイナズマさんだとわかっているのにもかかわらず、綺麗な女性の姿に緊張した。
「またわたしには女の姿で会うんですね」
「これも私の姿だからよ」
それはわかっていることなのだが。
ガールのカオは先に、男の姿のイナズマを好きになった。もちろんその頃は、ニューカマーなどという存在や、ホルモンについて、イワさんについても知らなかった。
「本当に好きならこの姿も好きなはずよね」
そう言いながら、イナズマは笑う。
もちろん女のイナズマも好きだが、それは恋愛としてなのか、友達としてなのか、カオにはまだ判断がつかなかった。
「好きだと言ったら、そのままの姿でずっといますか」
「それはわからないわ」
余裕ある表情のイナズマと、まるで余裕のないカオ。そんな二人を見守るイワさん。世界は狭いところでよくまわものだ。
「ヴァナタ、そんな意地悪だったかしら」
「ふふ。意地悪ですとも」
男の姿のイナズマは、そうやって今日も笑うのだ。
イワンコフは、イナズマの新しい一面を見つつ、悩めるカオに同情するのであった。