三角形
風のように口づけをされた。
その相手の容姿は女性である。綺麗だ。
女の人にキスをされて、嫌という気持ちはなかった。むしろ、やらしく嬉しいと少しだけ思った。
「イナズマさんはいつも女性のキスをしますね」
「嫌そうには見えないからよ」
呼吸をだんだんとしながら、胸は大きく上下する。カオはイナズマのどちらの性も好きで、よく見ていた。ただそれはどうだろう、自分は女性でしかないのに。自分もホルモン射ってもらおうか、なんて考えているうちに、カオは眠っていた。
「こんなところで寝るのは頂けないな」
そんな男の声に意識を戻す。
ねえ、と目を開くとともに声を出すカオは、まだぼんやりと夢を見ているようだった。
「キスしてください」
「ほう、珍しいことを」
「男のイナズマさんも好きだから」
手の甲から、唇へ。落とされた柔らかなものは、女性のものとは違った。同じ人のはずなのに不思議。
どちらも愛して、どちらからも愛されて。