サボテン
「キッド大丈夫かな」
「心配なら聞けばいい」
「聞いたら怒るんだもん、心配されるの嫌いなの、キッド」
キラーは鼻で笑い、そういう奴だと納得した。素直になればいいのに、自分の弱さを出そうとしない。
「でも、ほっとかれるのも怒ると思うぞ」
「そんなキッドの加減がわかるのはキラーさんだけよ」
「知ってるか、キッドの弱点を」
「脇腹?」
「それも当たりだな」
キラーとカオの歓を尽くす姿は、キッドの船室からよく見えた。カオはとても楽しげに笑う。心得顔で話すキラーも気に食わない。
「あの野郎、動けるようになったらキラー覚えてろ」
ギリギリと歯ぎしりをするキッドは、好きな女がキラーと話す妬みから予定より随分と早く怪我を治したという。
「キラー、おめえ何かわかってやってるんじゃねえのか」
「おれはキッドの弱点を知り得ているだけだ」
「おれに弱点はねえ!」
キラーだけが知るキッドの弱点は今、きっと洗濯をしているのだろう。ぷかぷかと洗剤からできた泡が、ここからからでも目で追いかけることができた。