ベロニカ

「シャチ!」

「うお!」

飛びついてきたのはベポ。あまりの重量感によろける。いつもこんなのを食らってるのかキャプテンは。ベポはよかったよかった!と頬ずりをしてくる。結構ゴワゴワな毛に、笑ってしまう。

ベポの巨体の背後に、誰かが見える。
ひょこっと顔をベポからずらせば、カオが居た。思っていたよりも、近くにいたこと、昨日のこと、シャチはカッと熱くなる自分の顔に焦りを覚える。サングラスをしていて良かった。少しでも今の顔を隠しておきたい。

「シャチ、もう本当にいいの?」

「あ、ああ!ほらピンピンしてるぜ!」

はははと笑えば、カオもへにゃっと笑った。キュン。かわいい、今すぐこのベポを振り払って抱きしめて、心配かけたなベイビーとでも言ってやりたい。ベポ、そこどけ。

そんなことを考えていたのが伝わったのか、ベポはスッと離れた。伝わっていたら殺されてしまう!とシャチは離れたベポをビクビク恐る恐ると見た。ベポは笑っているようで、安心した。

「カオもシャチに掴まってみなよ!シャチ元気そうだよ!」

「ばっばかやろー!ベポとカオは違うんだよ!一緒にす」

一緒にするなと叫んでいる途中、シャチは言葉を飲み込んだ。カオが、ベポにも負けない勢いで飛び込んできたからだ。

「おかえり、シャチ」

ベポ!ありがとう!ベポ様!
ベポは「うんうん、やっぱり歓迎はこれだよね」と朗らかな顔をしていた。ベポのおかげでゲットしたメルヘンは、予想外だったが大変結構なお手前で。抱き返そうと手をまわせば、ビクッとカオが揺れた。それでも、カオは離れなかった。

柔らかなカオは、ベポとは違ってすっぽりと自分の腕の中に収まっていた。
少しカオの胴体部分も近くに寄ってくると、女だなとわかる部位が気持ちよく当たった。ていうかデカイ、こんなの反則だろ。

「シャンブルズ」

「へ」

シャンブルズされたカオは、腕から消えて、シャチは入れ替えられたペンギンと抱き合うことになった。悲鳴をあげるペンギン。ゴツイからだ。さいあくだ…。

「ちょ、キャプテン!」

「この船で変な気を起こしたらベポの餌になると思え」

「キャプテン!おれ、人間は食べないよ!」


今日からまた、この船は平和です。