配達日
部隊が帰れば、歌仙や長曽根はお疲れ様だとか今日もありがとうだとか言われて。 小狐丸は褒め讃えられているし、江雪はなにやら団子をもらっていた。その他も特別労いの言葉などをもらっているが、そういえば俺にはなにもない。
特別手当が欲しいとか思ったことはないが、もらえるもんは欲しいし、俺頑張ってるし。頑張っているよな、ウンウン。
そんなことを考えながらの畑当番は、きっと暑さで疲れてが出てきているのだろう。目にしみる太陽と汗に、身体って不便だと思う御手杵は鍬を置いた。
「御手杵」
「うお!びっくりした、急に出てくるなよ」
油断しきっていた御手杵の背後に現れた主に、飛び上がる槍の姿あり。お茶を持って来たのだと主は言う。
「土の匂いがする」
「当たり前なことを言うんだな。畑なんだから、土臭いだろうよ」
「私、土の匂い好きなの」
それだけの会話だけで、主は城へ戻ってしまった。本当にこれだけ。頑張ってねとかお疲れ様とか、そういうのは無いんだなあとお茶を飲み干す。
水を持って戻ってきた蜻蛉切が、ああ主が来てくださったのかと笑った。
御手杵と畑当番の日は、お茶が届くからと。
それがわかりさえしていれば、もっと話をしたのに。