大きくのびた影を見ていた。
自分の形がそのまま黒く地面に映されている。

自分は一度はぐれリーガーとして、道を誤ってしまったが。このままこの影のようにまっすぐな道を歩んで行けるだろうか。

ふと影にツノのようなものが生えた。

「何してるんだ」

「バレたか」

背後から出てきたのはカオである。

「ほら、サーティーンにツノが」

「ふふ」

背後でぴょんぴょんと跳ねては、影にツノを生やせようと頑張っているカオに、サーティーンは笑った。

「サーティーンはもっと笑った方がいいよ」

「そうか、ならもっと笑わせてくれ」

サーティーンは笑いながらカオを軽く撫でると歩きはじめる。

「今日はどうするんだ、一緒に来るのか?」

「優しくしてね」

「バカ、そんなことになった時はねえだろ」

「今からなるんです」

威張って見せるカオにまたサーティーンは笑う。

「気をつけろよ」

「おじさんが気をつけてくれていれば大丈夫」

「わからねえぜ?」

カオがサーティーンの顔を見れば、先程までの笑い方とは違い、少し悪い笑い方をしていた。

「その顔には弱いんだ」

「そう知っててやってんだよ」

「やらしいおじさんだ!」

サーティーンは今日一番の笑いが起こった。

カオはサーティーンには敵わないし、またサーティーンも、カオには敵わないのだ。