4丁目
「ジャガイモってのはどうしてこんなに皮が剥きにくいんだ」
文句を言いながら、芋の皮剥きをするシャチ。乱雑に剥かれてゆく芋がゴロゴロと鍋に積み上げられる。
「本当に。ジャガイモはおいしいのにね」
笑いながらカオも皮を剥く。
シャチはカオの顔を見ると、こんな雑用もカオと一緒なら良いかと思い直した。
「シャチはシチュー、好き?」
「え!まあ、好き…かな」
「コロッケは?」
「あれはうまいな。好きだぜ」
「じゃあ、練習するね」
シャチはジャガイモの皮剥きの手が止まってしまった。嬉しいことこの上なく、涙が出そうだとシャチはカオに後光が差して見えた。
「悪いな手伝わせて。俺が当番なのに」
「ううん。ベポは張り切っていたけれど、料理に毛が入っちゃうし、ペンギンは…眠いんだって」
「ハハ。あいつらしい」
この頃は平和で、のんびりしている。海賊で平和なのもどうかはわからないが、こうしてゆっくり話しができるのは悪くない。
そうしてゆっくり話し続けた結果、ありったけのジャガイモの皮を剥いてしまった。
「どうするんだこれ」
「ベポ、食え」
「無茶言うなー!」
「キャプテンに見つかる前に食べないと…」
話の数だけできたジャガイモは、一夜にして皆の腹に収まった。