おわかり上手
「ほら」
と、渡されたハンカチはすごく綺麗だった。
「ドレークさん、ハンカチにフリルがついてる」
「悪いのか。笑うなら返せよ」
いやです、とそのフリル付きのハンカチで頬を拭いた。涙ではない。これは雨だ。
突然の雨に雨宿りを強いられたカオとドレークは、洞穴のようなあやしげなところへ入っていた。
何かの巣かもしれないが、カオとしては、ドレークと居られるならどこでもよかったし、危なくなってもこの人が居るから大丈夫だと思っていた。
「ロマンチックじゃないですか。こんなところに2人きりですよ」
「こんな不気味な穴がロマンチックとは。おまえは相当な変わり者だな」
えへえへと笑うカオに、ドレークはフウと息をついた。
「このサイズの野獣が出てきたらどうするんだ」
ドレークは穴の奥を見た。たしかに、こんなに大きな穴を必要とする生き物であれば、大きさは計り知れない。だがやはりカオには確信があった。
「ドレークさんが守ってくれるんでしょ」
そうやってまた、えへえへと笑うと、ドレークは「ばか」と言いながらカオの頭をトンと軽く叩いた。
雨のしんしんと音がする中で、カオはドレークの心臓の音を聴いた。