速やかに対応
「ああ起きた」
そう声をかける男は、どう見ても足がなかった。
「びっくりした。起きたと思っていたら、白目むくんだもんな」
どこから突っ込めばいいのかわからないこの状況に、カオは困惑する。
男はコラソンと名乗った。名前なのか、聞いたことのない響き。そして、自分はもう死んでいるのだと話した。どうりで足がないはずだ。
「随分と落ち着いているんだな」
コラソンはプカプカと浮かびながら、カオを不思議そうに見た。
「化けて出て欲しいと思っていたんですよ、大事な人が、亡くなったばかりで」
落ち着き、カオは話す。
明るい部屋で見る幽霊というのは、なんとも言えないものだった。不思議と怖くはない。
「でもどうしてあなたが、私はあなたのこと知らないし…」
「たぶんそれは」
「それは」
「おれがドジっ子だからだ。しまったな、まさか化けて出る場所を間違えるとはな」
そんなドジっ子がいるのか!
カオはこれから、このコラソンに取り憑かれることになる。