おはようの小鳥

とんとん、とん。
朝の知らせが来ている。

「朝ですよ。今日はどうしました、どこか悪いんですか」

もちろんキラーに悪いところは無く、ただ夜が遅かっただけ。夜中ずっとキッドに頼まれて、新しい武器商人の情報整理と、武器の手入れをしていた。

こっそりうっすらと目を開けて、起こしに来たカオを確認する。新しい服を守るようにエプロンをしていた。その姿を見て「新妻みたいだ」と不意にときめく。キッドはきっと平和ボケしていると言うだろうが、そう見えるのだから仕方がないじゃないか。

「キラーさん起きないとほら、ちゅーしますよ」

なに!いやそれは、是非。
ピクリとしながらも、絶対にそれなら起きてなるものかとキラーはタヌキ寝入りを続けた。

「キャプテンお願いします」

「よしキラー、野郎の口づけで起こしてやる」

キッドは飛び起きたキラーを見て腹を抱えて笑った。先に起きて暇だったらしい。相変わらず、キッドはキラーをからかうのがたまの楽しみなのだ。キラーはウンザリという顔をして起き上がり、ベッドに腰掛けていた。

「なんて目覚めだ…」

「でもキャプテンの言う通り、すぐ目が覚めました。すごい方法ですね」

ひとつ新しい知恵を得たという輝かしい顔をしているカオだが、こんな目覚め方は勘弁してほしい。本当にキッドが口づけするとは思えないが、一部始終見て楽しみたいがためだけのイタズラはもう嫌だ。

「キスをすると目が覚めるんですか?」

「キッドだから目が覚めただけだ」

キッドというより、男たち。またそんなことがあるなら息が止まっていたって、させてたまるか飛び起きてやる。

「わたしがするのはダメですか?」

不思議そうにカオは聞いてきた。よくこのメカニズムがわかっていないらしい。
キラーはまたパタリと布団に横になって目をつぶった。

「目が開かない…ああ眠い、キスしてくれたら目が覚める気がする」

「キャプテンまたキラーさんが眠たいって!」

違うそうじゃない!と叫んだ時にはもう、キッドが目くじらを立てて「二度寝とは良い度胸だ」と声を荒げていた。