出られない部屋
診断メーカーのはなし
《攻め側が相手にされて嬉しかったことを正直に告白しないと出られない部屋に閉じ込められました。頑張って脱出してください》
「…という部屋みたいですキラーさん!」
「………」
異質な部屋に閉じ込められた二人は指示をそんな受けていた。真っ白で何も無いこの部屋から脱出するには課題を解決するしかないのだ。
実は前からこういった不審な建物が現れることをキラーは耳に挟んでいた。
『どうしてキスとかハグとか、そういったお題じゃないんだ…』
だからこそキラーは内心、そう、とても、めちゃくちゃにガッカリしていた。膝をついて落ち込むキラーに、何も知らないカオはアワアワとするばかり。
「キラーさん、わたしにされて嬉しかったこと…ありますか」
「ああ。ええと、料理を褒めてもらったことだろうか」
ブー
鳴り響きブザーの音、扉は開かず。
「開きませんね」
「もしかすると1番嬉しかったことじゃないと開かないのかもしれないな」
「それじゃあ1番を話してください!」
「…抱きつかれたことだろうか」
ブー
慈悲もなく、ブザーは鳴る。
キラーに焦りが見える。いったいこの部屋の装置に自分の何がわかるというのだ。
「キラーさん!他にあるんじゃないでしょうか!」
「他に!?ちょっと待てそれなら寝たことか!」
ブー
「アーンしてもらったことか!」
ブー
「本を読んだこと?」
ブー
「一緒に街に行ったことか」
ブー
「風呂上りを見たこと…」
ブー
ブー
ブー
だんだんと恥ずかしくなってきたキラーは頭を抱えるようになった。簡単なお題だと思った、しかしこれはなかなかに難しい。そして本当に恥ずかしい。
「頑張ってくださいキラーさん!他に何かあるんですよ!」
「ウ、他に…な、なら膝枕…」
ピンポーン
扉が開く。
膝枕で、開いてしまった。言った本人も、カオもポカンとしたまましばらく動かない。
「膝枕、嬉しかったんですか」
「さあ出よう、キッドが待ってる」
「待ってくださいよ!膝枕くらいいつでもしますよ!言ってくだされば良かったのに!」
「聞こえないな…さあはやく帰ろう」
無事に脱出しました。