8.5

「お前はわかってねえかもしれねえが、俺はカオを頼ってるぜ」

「そうなの?」

「お前じゃねえとダメなときばっかりだよ」

フットはそうやってたまに嬉しいことを言う。顔が熱くなった。なんだかこっちの方が熱があるかのようになってしまったじゃないか。

「それってどんなとき?フット?ねえ、フット!」

フットはスリープ状態になってしまっていた。肝心なところは聞けないのだ。

「全然頼ってくれてるとは思えないけどな」

フットの頭を撫でる。

そうして何度かフットの身体を冷やすためにタオルで拭いた後、カオもまた、寝入ってしまった。


ガン。


そんな音で目を覚ますと、そこはフットの膝の上であった。

一体なんで?どうして?嬉しい!とカオは心の中で叫んだ。もしかするとフットのことだから、目が覚めたことがわかったらすぐに降ろされてしまうかもわからない。

フットの膝に頬ずりするような形で寝ていたことをカオは幸運に思った。

「マスクにどうやって甘えてんのか聞いとかねえとな」

フットの独り言が聞こえる。

少し気にしてくれていたのかと思うと、フットがかわいくて仕方がない。

ポンポンとフットの手が体をあやしてくれているのが心地良かった。フットはもしかすると、自分が知らないところでは甘やかしてくれているのかもしれないとカオは考えた。

「よく寝てやがるぜ」

起きてますけどね。

「キスしてうつせとか言ってやがったな、そう言えば変な約束しちまったぜ」

そうだよ、いくらでもキスしてやるって言ったからねフット。

「まてよ…今やっとけばコイツの意識無いときに済むってことか」

起きてますけどね!

カオは体が持ち上げられたのが目をつぶっていてもわかった。どうしようキスされる!と思うと、途端に恥ずかしくてたまらなくなった。

「フ、フットのムッツリ!」

そう叫んで、両手でフットの顔を抑えて抵抗した。

「お、おまえ!起きてやがったのか!」

「い、いいいま起きたんですー寝込みを襲うなんてフットはムッツリだったんだ!アームさんに言いつけてやる!」

メンテナンスルームの外で待っていたアームは、これは長くなるだろうとグラウンドに向かった。