はじまり

「背後に立たないで欲しい」その言葉だけで幾許も無くカオはこの使い魔を避けるようになった。



魔術師の家系であるものの、カオは酷く怖がりであり、才長けるわけでもなく、綺羅を飾るわけでもなく育つ。一人だけサーヴァントを召喚できるこの世界では、カオの召喚するサーヴァントに一族は大いに期待をしていた。
それはサーヴァントにより、家のことに役立てたり、大会に参加したり、家のイメージを背負うからである。

使い魔と類されるそれを召喚したところ、やって来たのは長髪のセイバーであった。

笑いもしないどころか、まるで能面の様な顔で召喚に応じたという男にカオはもしかすると、この時から怖さを感じていたのかもしれない。

最初に供述した通り、背後に立つなと釘を刺されたカオはあまり男に近寄らなくなる。

この避けられる男、ジークフリートと名乗る。