木陰
「先生大好き!」
「おやおや」
座っている先生に抱きつきながらカオが何か言っている。あえて聴こえていないことにするが、えらくカオは先生に懐いている。先生も甘えん坊な生徒に微笑みながら本を読んで過ごす、あたたかな日。
「俺も好きだ!」
そう叫びながらどさくさに紛れてカオに抱きつけば、みんな先生が好きなんだとカオはにこにこと笑った。拒否されないなら好機だと、鼻をくっつけてスウ!とカオを堂々と嗅ぎ、身体に頬擦りした。
「アキレウス」
その声に先生の顔を見れば、明らかに何か俺の下心を見抜いている冷ややかな目をしていた。これは後でパンクラチオンな気がする。
「生徒の身を守ることも教師の務め、わかっていますねアキレウス」
「わかりたくないけどわかります」
「さあカオ、学びに戻りましょう。アキレウス、邪魔をしないように」
本を二人で読み始めたら二人は勉学の世界で入り込めなくなった。ちぇっと文句を言いながら寝転び、アキレウスは睡眠学習に入ることに決めたのだ。