ソレイユ

「我が主は男性であらせられる。確かに尊敬に値する主ではありますが、レディカオが主でもきっと素晴らしい」

跪き手を取りながらセイバー、ガウェインは相好を崩す。

「レディカオはたおやかで愛らしい。同じ騎士として、ジークフリートを羨ましく思います」

「それはガウェインさんが農場の手伝いをすることが気に入らないからではありませんか?ふふ、慣れないことをさせられていますねきっと」

ガウェインが呼び出された所は大きな農場もあり、もともと半分くらいはその手伝いをさせたかったのだという。英霊が農場の仕事をしているなんておかしなことかもしれない。それくらい、この地域は平和である。

「それを言われては…確かに剣を振るうことはありませんが、んん…仕方ありません」

「土の匂いは私、大好きですよ。きっと大丈夫、ガウェインさんも好きになれますから」

バタバタドンドンドン!と騒がしい音の後、ゆっくり扉が開く。それと同じくらいゆっくりそろそろと入って来たのはジークフリート。

「カオ…」

「ジークフリートさん、おかえりなさい。こちらガウェイン卿、我家とよく交流のある方のサーヴァントです」

ジークフリートはカオの握られている手を見て、眉間にシワができる。無意識だったが、すぐに自身で気がつき顔を戻す。それを見逃さなかったガウェインはほくそ笑んだ。

「カオ、今日はこれで失礼致しましょう。あなたのナイトに剣を振るわれそうですから」

カオの手の甲にわざとリップ音をたてキスを落とすと、ガウェインは部屋を出て行った。

ガウェインが部屋を出た瞬間に早足でジークフリートはカオに近寄る。珍しくソワソワと落ち着かない様子でカオに目線を合わせた。

「カオ、先程のセイバーが好きなのか?すまない聞こえてしまった、す、好きなのか?」

「聞こえたって一体何が…ガウェインさんは好きですが、知人のサーヴァントとしてです」

「カオが、大好きだと話していたようだが…」

「土の匂いが大好きだと言ったんです」

ぱち、ぱち、瞬きをするとジークフリートは勢いに任せて掴んでいたカオの肩から手を離した。

「ジークフリートさん、どうしたんですか」

「いや、その…」

その日からジークフリートは花壇を新しくすると土いじりをしていた。理由を話してはくれない、彼にはどうにも上手く言えないらしい。