4月2日
ひょんなことからカオに包まれて眠っているジークフリート。リヨ化してしまったことにより、すっかり1日ぬいぐるみ扱いだ。
カオはすやりすやりと気持ち良さそうに眠っている。抱っこされているような形で、よく顔は見えないが寝息が聞こえていた。
「こんな日はもう懲り懲りだ。はあ…」
良いこともあったが、やはり普段の姿が良い。ジークフリートはため息をひとつ。寝られない時間が続いた。睡眠は必要では無いのだが、落ち着かない時間というのは辛い。
ブブブと身体に違和感を感じると、身体は元に戻ってしまった。どうやら日付が変わったらしい。目線や、身体の大きさが戻るとなんとも言えない安心感があった。仰向けになり天井に向かって手を伸ばして自身の手の感覚を確かめる。たしかに元に戻っている、よかった。
腹にはまだカオの手がくっついているが、こうなってもまだここに居るのはまずいだろうと思う。なんとか起こさないように振り解こうとカオを見れば、すやすやと穏やかだった。
「カオ…」
髪を掬えば、もぞりと動いてカオは顔を埋めて来た。思わず肩を抱き、大切なものを抱えるように身体を寄せた。この姿は竜が宝を抱え隠すようにも見える。
ペタペタと身体を触られていた。どうやらカオが目覚めたらしい。
悲鳴と質問と、カオは起きてすぐに大騒ぎしていた。だから給仕長が忠告していたというのに。
また添い寝したいと思っていたが、そんなことを口にすれば何をされるやら。カオには内緒なのだ。