タルタルソース

「なんで?! シスくんのフードをカオちゃんが被って! カオちゃーんフードは?!」

シエテは帰ってくるなりアワアワと騒ぎちょこまかと動き回っていた。

「わたしのフード、失くしちゃった……そしたらシスが自分のくれた」
「失くした?」
「ご、ごめんなさい」

カオの俯いた頭をシエテはぽしぽしと撫でて、気にしないでとなだめた。シスはずっとそっぽを向いている。ピクピクと耳が動いているので、聞いてはいるようだが。

「わたしシスだいすき」
「へえーよかった仲良くなれたんだねえ、シスくん」
「……」
「シスくん?」
「……」
「シスくぅん」

シエテがまたカオの頭を撫でると、シスはまた耳をピクピクピクと動かした。これはまさかとシエテがカオを抱きしめてみせると、シスは明らかに不機嫌な様子でシエテを睨みつけた。

「シスくん!! 妬かなくていいよ!」
「なっ、妬いてなど…!」

カオはキョロキョロと二人を交互に見て、それからシエテの耳にコソコソと尋ねた。

「やくってどういうこと?」

シエテは手をカオの耳にそえてコソコソと返事をする。

「カオちゃんを取られたくないのさ」

誰が。シスが。どうして。自分の方が好きだと思ってる。コソコソ話はそんな風にシスの目の前で続いた。次第に、仮面越しにもわかるほどにシスは真っ赤になって奇声をあげる。

「シスのことすき、知らないの?」
「し……か、グ…!」
「知っているよねシスくーん」
「静かにしろ!」

もう離れろと二人を引き離すシスを、シエテはいつもの3倍のニヤニヤ顔で見ていた。