つかれ


「シス、寝てる?」

カオはシエテを見上げて尋ねた。机に突っ伏しているシスを2人で離れたところから見ている。

「疲れちゃったかな、シスくん頑張っていたからね」

話したいことは沢山あるのだが、カオはシスをそっとしておくことにした。黙って去ろうとしたところ、シエテはコソコソとカオに耳打ちする。

「あのね、疲れはハグをすると三分の一になるんだよ」

そうなのかとカオは驚いた。起こさないようにと静かにシスに近づき、カオはシスの背中側から抱き締めることに成功する。

「シスの疲れ、とれますように」

ギュ、とやり終わるとカオはその場を立ち去った。シエテはヒラヒラと立ち去るカオに手を振り、姿が見えなくなるとシスを見た。

「よかったねシスくん」
「……うるさい」
「起きたの?起きていたの?」
「うるさいうるさい」

顔は伏せたままなので見えないが、耳はパタパタとよく動いていた。

三分の一どころか、すっかり疲れなど吹き飛んだ。