ねすごし
寒い日になるぞと言っていた。それは誰だったか。
「んう」
もぞりと自分の胸に顔を埋めるのはカオで、ここは、布団の中で。一緒に寝ているだけ、何かあったわけではない。ただ寒いからという理由で潜り込んで来たのはカオの方であり、シスが夜這いじみたことをしたわけでわはないのだ。
ギュ、と抱き締められカオに暖を取られながらどうしたものかと考える。甘えられていることは嬉しいのだ、自分も甘えて少しだけカオの頭を頬擦る。
カオの長い方の耳が首に当たってくすぐったい。少し切れている耳は、カオが自分でつけた傷らしい。どうして自分を傷つけたのかと問えば、耳の長さを揃えたかったのだと言う。すぐにバレてしまい、殴られたのが思い出だと話すカオは笑っていた。
「シス、くすぐったい」
「さ、触ってないぞ」
「息くすぐったい、ふ」
「すまん」
へにゃりとカオは顔を緩めて、またシスに擦り寄り顔をくっつける。駄目になりそうだ、とシスはカオの後頭部に手をやる。ぽんぽんとリズミカルに叩いてやれば、うとうととカオのまぶたがゆっくり下がったり、上がったり。
「カオ、なあ、寝よう一緒に」
「ん、ん、シス」
「フフ、良い子だ」
カオの髪を掬い、布団を肩までかけ直す。一緒に朝まで、いいやもっと、一緒に居よう。