ヘクシュン

「おはよう、団長」
「おはようカオちゃん」

いつもの挨拶をして、カオは朝食を食べる。残さずにヨーグルトまで食べて、御膳を下げていた。

「シエテさん、今日は頼まれていたお手伝い、する」
「うん! 頼むよー人手があると助かるね!」

シエテに頼まれ、カオは地図に書かれている橋の場所に赤丸をつけていく。量が量だけに、シエテが追いつかない雑務をカオは手伝っているのだ。30分程経ったころ、シエテも来ているのかとそこへシスはやって来た。

「おはようシス」
「ん、おは……」

おはようと言いかけ、シスはジッとカオの顔を見た。

「なになにシスくん〜キスでもしたくなっちゃったの?」

アハハとシエテが冗談を言うが、いつものように怒る素振りも無くシスは黙ってカオを見ている。あれ無視、おかしいなとシエテはシスくんどうしたのと腰を上げた。

「熱があるな、カオ」
「えっ」

シスがカオの額に手を当て、その後首の後ろ側へと手を当てる。やはり熱いなとカオの体からシスは手を離した。

「大丈夫だよ、何ともない」
「拗らせたらどうする。シエテ、カオを休ませる。いいな」

歩けるかとシスはカオに声をかけ、シエテの部屋から連れ出した。

「ああもすぐにわかっちゃうものかねえ……愛の力かな」

部屋に残ったシエテは、ふふふと一人で笑った。熱があるなんてぜんぜんわからなかったと言い添えながら。



部屋を出るとカオはフラフラと歩く。

「すぐに言い出さないからだ」
「ん」
「熱が上がってきたのだろう」
「そうかも」

カオがシスの服の袖を掴むと、シスの足は止まった。

「シス、おぶって」
「ほら」

シスがしゃがみ込むと、カオはすぐにおぶさった。対応が早いシスは、シエテの部屋に居た頃から歩ける様子ではないと察していたのだ。背中でフウフウと息が上がっているカオを怒るのは落ち着いてからにしよう。

カオを部屋に休ませると、シスは薬を取りに医務室へと向かった。