ニガムシ
ひやり。
冷たいなにか。ボンヤリする頭で目を開ければ、シスの顔。おでことおでこが当たって、これはやはりわかりにくいなとシスが難しい顔をしていた。
「すまない、手を入れるぞ」
そうシスが言うとすぐに、カオの首元へと手が入った。まだ熱いな、とシスが呟く。
「シス」
「俺ならここだぞ」
空気を掴むように手を伸ばすカオの手を抑えるようにシスは手を掴む。
「そばにいて、シス」
「ああ。何か飲めそうか、どうだ」
「水……」
冷たい水を少し飲むと、すぐにまたカオは横になった。水を飲むために離したシスの手をまた探し、掴む。
「シス、ごめんね」
「謝ることは何もないだろう、早く治せ」
「うん」
カオの熱は2日経っても下がらず、シスは寝ずの看病をしていた。見かねたグランは、ある人物に診てもらうことを提案する。
「風邪とよく似た症状だが、熱は高く喉の腫れは無い、呼吸心音共に速く、腫れているのは腹部の一部」
ネハンの診察を聞くグラン。壁近くでその話に耳を澄ますシス。ネハンはすぐに薬の調合を始めた。これなら風邪薬は余計に悪くなるだけだと、新しい薬を用意してくれているのだ。
薬を飲み、夕方には落ち着いた呼吸でカオは眠り始めていた。
「もう心配は無いだろう。薬は5日飲み続けろ」
「わかった。その、すまない、礼を言う」
「救える命だった……というだけだ」
ネハンに頭を下げると、シスは息を飲み込んだ。頼んですまない、ありがとうと薬を握りしめて。