デココ
ジャーン!
シエテが広げて見せた服にカオは目を輝かせた。
「シスと同じ!」
「ふふん。俺が作ったから、まあ当然と言えば当然なんだけど。十天衆の仮装用コスチューム! いい出来映えだよねー」
シエテはしみじみと作業中の自分を思い出していた。
ハロウィンの仮装衣装を頼まれていたシエテは、カオに十天衆風の衣装を作って持って来たのだ。
「でも全部が全部同じじゃないんだよー。少し女の子らしく工夫しつつ、でもシスくんの十天衆服イメージを崩さないように……くうー! ほらここなんか武器じゃなくてお菓子を入れられるように!」
「何をしている」
ヒエッと声が出た。シエテが事細かに説明をしている背後にヌッと現れたのは当人のシス。無許可に作ったこの衣装は、シエテには部が悪かった。
「シスとおそろい、ほら、見て!」
「な……シエテ! カオを十天衆に加入させたというのか?」
シスは無力なカオに何をさせる気だと鋭く睨んだ。
「違うよ違うよ、ほらハロウィンだし、仮装衣装でさ。シスくん仮装しないし、揃いにするにはこれが良いかなーって」
「俺はハロウィンに参加はしない!」
「でもカオちゃんとペアルックでお似合いだよ」
「ペアルック……」
死語ではないのかというペアルックという言葉に、シスは反応を示した。カオとペアルック、おそろい、少し良いかもしれない。
「シスはそのままでも良い、から、いっしょに行こ。お祭り……」
「フン、付き合ってやるが今年だけだぞ」
ちょっと嬉しそうじゃないのとシエテはほくそ笑む。そんなシエテの喜びも知らず、シスはカオと街へと出かけて行った。
グランやルリアもハロウィンを楽しんでいたようで、バッタリと遭遇したところ「シスがハロウィンに参加している!」とグランが笑って喜んでいた。参加はしていないと否定するシスに、カオが「わたしについて来てくれただけ」と控えめに笑っていた。少し、シスはキュウと胸が締め付けられる。