おどおど


「シス! 大丈夫なの!」

医務室に急ぎ来たカオに映ったものは、目に包帯を巻いたシスであった。

「すぐに戻る。問題はない」

シスはそう言って落ち着いている。グランから、自分を庇って敵の魔術を受けてしまったのだと説明をされたカオは居ても立っても居られなくなりシスの様子を見に来たのだ。

魔術による呪いの効果は打ち消してあるものの、あと2日は目に光を入れてはならないと医療班により指摘をされた。シスは目を開けないようにと包帯を巻いただけであるし、人のことは気配でわかるのだから問題ないと仮面を付け直す。

「シス、シス……でも命は無事で良かった」
「……ッ」

カオが首に腕を回してギューとシスを抱きしめると、シスは照れながら腕を組む。シエテはシスにバレないことをいいことにとてもニヤニヤした。

「わたしシスの手伝いする、シスの目の代わり」
「大丈夫だと言っているだろう。俺は一人で過ごせる」
「シ、シスの手伝い……」

フンと提案を断るシス。

「あーあ、シスくんがカオちゃん泣かした」

シエテがニヤつきながら横入りした。もちろんカオはしょぼくれてはいるものの、泣いてはいない。シエテは嘘をついた、仲間に嘘をついた。泣いてないと言いそうになったカオの口を塞ぐと、シエテは嘘を続ける。

「シスくんが冷たいから泣いちゃったねー」
「な、な、カオ……泣いているのか?」

動揺するシスはしどろもどろ。

「手伝いくらいさせてあげなよ。カオちゃんも邪魔になることはしないよね?」
「し、しない」
「……仕方ない。できないことは、頼む」

喜びの声がふたつ、部屋に響いた。
シスはまたフンと腕を組み直し、まだ泣いているのかと小さな声で問いかける。

シスの少し変わった日々がこれから始まろうとしていた。