開くカーテン

「お、おはよう」

ターバンのように綺麗にスカーフを巻いたカオが、シンクに挨拶をした。

「おはよう」

愛想が良いとは言えない顔で、シンクは挨拶を返す。カオがまたオシャレを始めてから数日、少しずつカオとシンクは話をするようになった。

「ん」

シンクは自分の隣の席の椅子を動かすと、ぶっきらぼうに首を動かし合図をした。ここへ座れということらしい。先日、朝食をどこで食べようかと迷っていたカオを見つけてからというもの毎朝こうだ。

「ありがとう。おかげで、ごは、ん、いつもおいしい」
「俺は厨房には立たないぞ」
「シンクさんと食べると、おいしいの」
「そ、そうなのか」

そんな何とも甘酸っぱい様子を、オロロジャイアはホワーッと見ていた。いや、オロロジャイアだけではない。グランも、ゼタも、イルザも、ナルメアも、ルリアですら見守っていた。

「みんなで席を埋める作戦、上手くいってるわね」
「でもまだまだ距離が縮まらないわ」
「そうなんだよね……(なんか今回は取巻きが増えちゃったなあ、まあ良いんだけど)」

皆がいつのまにやら、協力して二人をくっつけようとしていた。恋話、噂話、流れ流れてあっという間に広まってしまったのだろう。別に、どちらか片方から恋の相談をされた者は誰もいないというのに、噂とは恐ろしいものである。

「今日は、何をす、するの」
「特に予定は無い」
「わたし、わたしもね、予定無い」
「そうか」

終わり。皆がズコーッと倒れた。二人は朝食を食べ終わると、それぞれ別の方向へ歩いて行く。オロロジャイアとグランはシンクを追いかけ、ゼタとイルザとナルメアはカオを追いかけ、ルリアは朝食を食べた。