ソイラテ

すぐに溶けるようであるが、これには油断した。
カオは能力者であった。自分の体温が上がると、逆に周りを冷やしてしまうのだ。そして周りの物を雹にしてしまうらしい。どういう仕組みだとツッコミたいところだが、悪魔の実なんて考えても仕方がない。

「コントロールできなくてすみません、冷たい思いをさせてしまいました」
「驚いたが、これくらい気にするな」

差し出すタオルを受け取ると、カオは頭を下げる。頭を下げたままのカオに、顔を見せろと言えばゆっくりゆっくり顔を上げた。あまり姉以外の女の顔を見たことがなかったが、かわいらしい。つい、ぽやっとして、目を逸らした。

「か、買われたからには、お好きにお頼み申します」
「えっ」

好きに? こいつを?
ついカオの足の先から頭の上まで目を動かしてしまった。

思い出される過去、邪魔する姉、会う女会う女全て姉が排除してきたし、周りも姉がいるから近づいて来ることはなかった。自分も、姉に慣れている為か女を気にしたことも少ない。ああちょっと綺麗な奴だとか思ったり、良い匂いがする奴だとか、そんなことはあった。

「ページワン様……」

三つ指つかれて、見上げられて、心臓が変になった。これがもしかして“恋”ってやつか!