くるみボタン
カオの家系は、代々『糸』を扱う店であった。仕立て屋さんと表向きは話し、呪いをかけて糸を編むこともあった。
しかしそれは大昔の話だ。
この世界では、聖杯戦争だとか、そんなことは無かった。サーヴァントは召喚されると家業を手伝ったりイベントに出たりと、平和な世界である。いつからそうなったのか、誰にもわからない。もしかするとこの世界がすでに、誰かが聖杯で祈りをあげた世界なのかもわからない。
カオは動物が好きであった。
どんな小さな生き物にも愛を注ぎ、衣類に刺繍を施し、呪いではなく幸せを願い糸を編んだ。
ある時家族が、手の痺れを理由として引退をすることになり、カオはサーヴァント召喚する。
手先が器用で、大人しくて、華やか、命を大切にしているそんな英霊を。