おまもり
「そこには最強の恋守りがある!」
艇でそう話すのはコルワたち。中心となるコルワはそれに続けて「恋守りだけじゃない、家内安全、交通安全、健康、金運、肌守り、なんでもあるんだから! とにかくそこの御守りは御利益満載、ハッピーのセールが満載なの!」と熱く語っていた。
ゼタは恋はともかく健康は良いなとか、スーテラは家内安全が良いとか、女子は御守りの話でもちきりである。
それを少し離れて見ていたシエテは笑い、カオに声をかけた。
「カオちゃんも、恋守り欲しい?」
カオはハッと顔を上げて首を横に振った。スカートをギュッと握りしめて、カオはシエテをチラチラと見る。
「両想いに興味ない?」
「でも、好きな人が、その……両想い、嫌で、相手の幸せじゃなかったら、そ、それは、わからない」
そっか、とそれだけ答えるとシエテはカオにメロンソーダを渡した。
「シスくん、両想いに興味ある?」
時は変わって、シエテは同じことをシスに聞いた。シスはギョッと狼狽えると、ブンブンと首を横に振った。明らかに興味があるように見える反応だった。
「カオちゃんにも同じこと聞いたんだよね」
「な……っ、目的は何だ!」
「女の子たちが恋守りとか、御守りの話しててさー。すごい御利益のある御守りがあるんだって。シスくんは欲しくない?」
「恋守り……?」
シスはカオの顔が浮かぶと、勝手に照れて、勝手に頭を壁に打ちつけた。何でアイツが浮かぶんだと頭を叩くシスに、シエテはニヨニヨと笑う。
「噂は早いよ。きっと神社は行列だろうねー」
「俺は興味ないぞ!」
「うんうん」
シエテのニヨニヨは治らなくなった。