12
「あっ」
「あっ」
俗に言うラッキースケベが起こった。
カオが着替えてるところに入ってきてしまったゴールドフット。
黙ってそのまま扉を閉めて、フットは立ち去ろうとしたが、すぐに扉が開いた。
「フット!これはラッキースケベだよ!お祝いしなきゃ!」
「わ!馬鹿出てくんな!」
「キャミソールだから大丈夫!」
「大丈夫じゃねえ!少しは恥じらえってんだよ!」
扉を閉めようとするフットと、扉を開けようとするカオの攻防。
「ここで襲わなくて男として情けなくないのー!?」
「女が言うことじゃねえだろ!」
「フットが堅物すぎるだけよ!思ったより胸があるなあとか思いなさいよー!」
「人間の肉なんぞあっても無くても気にしちゃいねえよ!」
「酷い…!」
わーっと泣き始めてしまったカオを、嘘泣きなのだが、ほっておくと本当に泣かれても困るので、こら泣くなとあやす。
キャミソールが少し長く、見えそうで見えない下半身に目のやり場を困らせる。
「アーちくしょう!」
「フット…?」
「俺だってな!男なんだよ!」
「う、うん」
「易々とンな格好見せてんじゃねえ!抑えんの大変なんだぞ!」
カオは固まってしまった。フウフウと荒く息をあげるフットはあまり見たことがない。
フットも、アイアンリーガーも羞恥があるのだなと思った。
「フットもそういう気…ちゃんとあるんだ。びっくり、した」
「悪いかよ」
カオはキャミを引っ張り、できるだけ下着を隠そうとした。その仕草がまた刺激になるので、フットは目を泳がせた。
「へへへ、何か急に恥ずかしくなってきた!服着てくるから待ってて!買い物行こ!」
「おい行くなんて一言も!」
「フットは優しいから一緒に行ってくれるよ」
「だー!わかった早く着てこい!」
その日、カオはゴールドマスクにフットはかわいい!と何度も力説したという。マスクとしては兄がかわいいとはピンとこない話なのだが、とにかく兄が好かれているようで良かったと話を聞いていた。