ゴロリゴロリ
「だめだ」
「どうしても?」
「だめだ」
生命体は夜、グローグーが俺の腕の中で寝るところを見て、自分もそうやって寝てみたいと申し出てきたのだ。
「グローグーは良いのにわたしはだめ?どうして?」
「だから前も言ったように、男と女は一緒に寝られない」
「そんなことない。本によれば、ママとパパというものは一緒に……」
「まだママとパパじゃない」
むくれて生命体は本に書いてあったことをベラベラと話し始めた。まったくとんだ種族を人にしてしまったものだ。しかし生命体の学習能力は高く、一度見たものは忘れないらしい。
「無理矢理にでもわたしは寝る!」
生命体が押し倒し寝させようとぶつかって来た。おれはビクともしないが、うんうんとどうにか横にさせようとする生命体に首を傾げる。こんな力でおれをどうにかできると思っているのだろうか。だいたい、相手を屈服させるためにはもっとポイントがある。つい弟子を教えるように「こうするんだ」と生命体の体を逆に押し倒して見せた。
時が止まっていた。
何故かおれが生命体をベッドに押し倒す形となり、
冷静になれば誤解を招かれてもおかしくない状況だ。
「こうしてから、どうするの?」
挑発しているわけではなく、ただ不思議なのだろうが、誘われているようで大変良くなかった。襲われたって仕方がない状況下で、無防備な彼女にはなんだってできそうだ。
「これから……」
「教えて。知らないこと」
ごく、り。わかっちゃいないんだ、男ってもんが。
「ニィワァヤ!」
グローグーの声に慌てて生命体の上から体を退けると、ひとりハアハアと汗をかいていた。