02:求愛行動

花束が目の前に突き出された。

「これ!カオに!」

今日は誕生日でもクリスマスでも記念日でもない。

「マスクくんこれ…」

「カオにやる」

受け取ると、いちまい花びらが落ちた。

「お、男が花買うのって、結構小っ恥ずかしいもんなんだな」

「恥ずかしいなら買わなきゃいいのに」

「そうはいかねえよ!すっ好きな女のためだぜ!」

ゴールドマスクは言ってやった!とドヤ顔をしている。カオは何の花があるのかなと花束を見ていた。誰も買ってくれとは頼んではいないが、もらって悪い気がするものではない。

「ありがとう」

「!じゃあ俺と結婚…」

「結婚するなら返す」

「ああ!いいんだ!受け取ってくれ!」

マスクは返されそうになった花束を押し返す。

「お礼はしたいなマスクくん」

「じゃじゃじゃじゃじゃあ俺にキ、キ、キスしてくれ…!」

「返す」

「わー!嘘だ!礼なんていい!」

再び花束をマスクは押し返す。

「試合があるんだ!また来るからな!」

「頑張って」

「カオに応援してもらえるならホームラン確実だぜ!」

この日本当にホームランを打ったマスクは、とても輝いていた。