ベッドに寝転がってうつらうつらとしていたら、ギイ、とドアが開く音がした。そちらにのろのろと顔を向ければ、そこには最近数年ぶりの再会を果たしたばかりの人物が立っていて。
「ん、…ビリーか」
ビリーはああ、とだけ返事をして俺の寝そべっているベッドに腰掛ける。
「なんだ、酒盛りはもう良いのか?」
俺は酒弱いからなァと呟いてゆっくりと起き上がる。今頃下ではファラデーが酔っ払ってバスケスと一緒に悪ふざけでもしてるんだろう、微かに聞こえる喧騒が少し心地良い。
「…そういえば、グッドナイトはどうしたんだ?」
「下で飲んでる」
「ふうん」
なんとなくいつもセットのイメージがあるから少し意外だ。とぼんやり考えていたらあいつは相棒だがいつも一緒にいるわけじゃない、と返された。ううん、心を読まれた。
そういえば、こいつは何しに来たのだろうか。積もりに積もった話でもしにきたのかなんて冗談半分で口を開こうとしたら、
「ん?んんん?ビリー?」
「何だ」
突然服を脱ぎ出した。
「おい、勘違いしてるようなら言っとくがここはお前の部屋じゃないぞ、お前の部屋は俺の隣…って酒くさ!!めちゃくちゃ酔っ払ってるな大丈夫かお前!!」
そうまくしたてた俺をじ、と表情の読めない顔で見つめたビリーが一言。
「あんた…変態なんだろ」
「ゴフッ」
めちゃくちゃ噎せた。
「唐突な暴言過ぎてめちゃくちゃ心にぐさりと来たんですけど?!いきなりどうした!」
「男の胸に興奮する変態だと、ファラデーから聞いた」
「(アノヤロウコロス)」
ビリーのその言葉を聞いた瞬間ファラデーの野郎に殺意が芽生えた。クソ、あいつ余計なこと言いやがって!!!いくら酔っ払ってるからって言っていいことと悪いことがあるだろ!めちゃくちゃ引かれるじゃねえか!!!というか既に変態って言われてる時点で終わりじゃねえか!!!こんなところで偶然再会したのが嬉しすぎてせっかくだから仲良くなりたいと思ってたのに!!!ファラデーあの野郎!!!
「ナマエ」
「え、あ、何?」
「なら、俺のでも興奮するのか」
「ビリー…お前、目が据わってるぞ」
「どうなんだ」
何を考えているか分からない、その真っ黒な瞳が俺を捉えた。
「…あー……、…する」
「……そうか」
目を逸らしながら小さい声でぼそりと言った言葉を聞いたきり、ビリーはそれだけ言って黙ってしまった。いや、「そうか」って…、結構なカミングアウトをしたから引くなり何なり何かしらリアクションしてほしいのだが、そこで自己完結するのか?!すげー気まずいじゃん俺!
「………」
「………」
そうしてお互い黙ってしばらく。
「………触らないのか」
「……え」
ビリーがぽつりとそう言ってきて思わず耳を疑う。まさかそんなこと聞いてくるとは思わなくて、目をぱちぱちと瞬かせてしまった。思わず視線が胸の方に行った。ファラデー程ではないが、ちょうど良い感じの中々の胸筋である。
「…さ、触っていいんですか」
「………」
「ありがたく触らせていただきます!!!」
恐る恐るそう聞いてみたのだが、触っていいから聞いてんだろうが早くしろよ的な目線を送られたので、元気よく即答させていただいた。
20170410
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