真衣ちゃんが突然幼くなってしまってから、二日が経った。
オレは未だ、真衣ちゃんに触れることができないでいる。
というのも、初めて会った時に泣かれてしまったから。
まあ佐久間くん以外はみんな初対面で泣かれてしまったわけだけど、オレを見た時の真衣ちゃんの怯えたような表情がどうしても忘れられなくて。
そりゃあんな小さい子からしたら、ニメートル近い男なんて当然怖いに決まっている。
佐久間くんからは「一番イカつい照だってもう大丈夫なんだから、お前も絶対大丈夫だって!」と言われたけれど、近付いてまた泣かれでもしたら、オレはもう立ち直れない自信がある。
「……………はあ、」
向こうで佐久間くんと康二くんと楽しそうに遊んでいる真衣ちゃんを見て、思わずため息が漏れた。
「うう……オレも真衣ちゃんと遊びたぁい……」
なんてぼやきながら、顔を伏せる。
真衣ちゃんはオレたちのことなんて覚えてないんだから仕方ないよなぁ、なんて思いつつ、やっぱり寂しい気持ちになってしまって、ツン、と鼻の奥が痛くなった、その時。
「……らぁう?」
くい、と、弱い力で服が引っ張られる感覚。
顔を上げると、真式ちゃんがその小さな手でオレの服の裾を掴んでいた。
「…どうしたの?真衣ちゃん」
まさか真衣ちゃんから近付いてきてくれるとは思わなくてちょっと戸惑ったけど、真衣ちゃんを怖がらせないように、オレは座ったままでできる限り身をかがめて、目線を合わせた。
「らぁう」
「ん?…なあに?」
「…あっこ、」
「………え?」
真衣ちゃんが、もみじのような小さな手をめいっぱい伸ばして、そう言った。
…今、抱っこって言った?
思わず佐久間くんたちを見ると、二人は優しい顔でこちらの様子を見守っていた。
「…らぁう、」
甘えたような声で、真衣ちゃんがオレの名前を呼ぶ。
オレは戸惑いながらも手を伸ばし、その小さな身体を抱き上げた。
…立つと怖いだろうから、座ったままで。
けれどその気遣いは、どうやらいらないものだったらしく。
「ちぁう!…たっち!」
なんて、真衣ちゃんがちょっと怒ったように言うから。
落とさないようしっかり抱きかかえて、オレはゆっくり立ち上がった。
するとどうだろう、てっきり怖がると思っていた真衣ちゃんは、すごくにこにこしていて。
「たかぁい!」なんて言いながら喜んでいる。
「らぁう!」
そしてぎゅっと、まるでオレのことを包み込むように、首元に抱きついてきた。
「………真衣ちゃん、」
ああ、なんて。
なんて、あったかいんだろう。
オレがSnow Manに入った時もそうだった。
真衣ちゃんはとても優しくて、あったかくて、オレの不安を全部包み込んでくれた。
オレが不安な時は、ぎゅっと優しく抱きしめてくれた。
小さくても、やっぱり真衣ちゃんは真衣ちゃんで。
変わらないその優しさと温もりに、じわ、と涙が滲むのを感じた。
そんな姿を見られたくなくて、オレは真衣ちゃんをぎゅっと抱き寄せて、その肩口に顔を埋める。
向こうで佐久間くんたちがニャニヤしている気配を感じたけれど、そんなのは一旦無視して、今はただ、この温もりだけを感じていたかった。
「………真衣ちゃん、だいすき」
真衣ちゃんがくすぐったそうに、小さく笑った。