今日は、僕の十八歳の誕生日。
この日をずっと楽しみにしていた。
というのも、今日はとっておきの誕生日プレゼントをもらう予定だから。
「……うわ、ドキドキしてきた」
なんて小さく呟きながら、クッションを抱きしめてソファに沈み込む。
真衣ちゃんの家に来るのは初めてじゃないし、何度か泊まったこともあるけれど、この後にもらう予定のプレゼントのせいで、尋常じゃないくらい緊張していた。
「……ラウ?大丈夫?」
「うわぁっ!?」
クッションに顔を埋めていたせいか真衣ちゃんがいたことに気付かず、思わず驚いて大きな声が出てしまった。
慌てて振り返ると、目を丸くして驚いた表情の真衣ちゃんが立っていて、申し訳ない気持ちになった。
「ご、ごめん!おっきな声出ちゃった…」
「ううん、私も急に声かけてごめんね」
そう言って優しく微笑んでくれる真衣ちゃん。
……待って、ヤバい。
薄手のワンピースにロングカーディガンを羽織った真衣ちゃんは、お風呂上がりのせいか頬が薄く色付いていて。
ノーメイクだからかいつもよりほんの少しだけ幼く見えるその姿も、今の僕には刺激的だった。
「…………あの、真衣ちゃん」
「ん?」
優しい声で言いながら、真衣ちゃんが隣に腰掛ける。
ふわりといい匂いがして、目眩がしそうだ。
「………あのね。前にも、言ったけど。………僕、真衣ちゃんと、キスしたい」
『十八歳の誕生日プレゼントは、真衣ちゃんとのキスがいい』
そんなことを言ったのは、去年の僕の誕生日の日。
僕は今まで、キスをしたことがなくて。
お芝居でそういうシーンは何度かあったけれど、あんなのは全部フリで。
いつからか、「ファーストキスは真衣ちゃんとがいい」なんて、強く思うようになって。
他のメンバーがいつも真衣ちゃんにキスするのを見て、正直すごく羨ましかった。
「ラウールは十八歳になってからな」なんてメンバーに言われ続けて、僕だって真衣ちゃんのことが大好きなのにって、すごくすごく悔しかった。
けれど今日、ようやくその我慢が、報われる。
「…………ラウは、ほんとにいいの?初めてが、私で」
なんて、真衣ちゃんが言うから。
「うん。……真衣ちゃんとが、いい」
目を見てそう答えれば、真衣ちゃんが優しく微笑んで目を閉じたから、僕も目を閉じて、吸い寄せられるように、その唇に口付けた。
ふに、という柔らかい感覚。
ゆっくりと唇を離して目を開ければ、真衣ちゃんも目を開いて、照れたように笑うから。
………あ、これ、ダメだ。
「っ、真衣ちゃん…、ごめん、」
「えっ?、んっ…!」
止めなくちゃ。
そう思うのに体は止まってくれなくて、ただ夢中で真衣ちゃんにキスをした。
静かな部屋に響くリップ音と、時折漏れる真衣ちゃんの甘い声が僕をどうしようもなく駆り立てて、もう自分を止める術なんて分からなくなっていた。
「っ、んぅ…、っ!」
ようやくその唇を離せば、真衣ちゃんはさっきよりも頬を赤くして、少し息が上がっていて、僕がそうさせたのだと思うと、どうしようもなく嬉しくて愛しくて。
……ごめんね、真衣ちゃん。僕、今日は止まれそうにないや。
心の中でもう一度謝って、僕はまた、その唇にかぶりついた。