発火する鱗片


 触れているのがすきだ、と思う。
昔からそうだった。犬とか猫とかはもちろん、きょうだいだとか、友達にも意味なく触れていると幸せな気分になる。小学生の頃、水鉢の中に金魚を飼っていた。水の中に手を入れて、つうと金魚たちがその間を通過する。鱗のなめらかな手触りが好きだった。戯れに背を撫ぜたり──ただ、魚にとって人間の温度は火のようなもので、火傷と同じなのだ。と、何かで読んでからは、手を入れるのをやめてしまった。金魚を不快な気分にさせたいわけではなかったから。それからは時々、空気や神のような、触れているのに触れていない存在になれたらいいだろうと夢想するようになった。
中学に上がってからは、触れているのは相変わらず好きだったが実際にそうするのはやめるようになった。つまり分別がつくようになったのだ。──そう、思っていた。


「中々むつかしい刀なんだよ」
 今回の演練で当たったのは備前国の、おれよりも長く審神者をしている青年だった。
「豊前江は気さくに見えるけどなあ」
彼と話していたのは、数ヶ月前に政府の催しで、玉集めの任務報酬で贈られた刀──豊前江のことだ。江派の刀はクセモノ揃いだと備前の審神者は言うが、おれの本丸にいるのは篭手切江と豊前江のみなので分からない。少なくとも二人は良い気風だし、今までうちに来た刀より少し現代的な感性を持ってはいるが、それが悪いわけじゃない。
「いやいや。あれで迂闊に触るとね、気安いぞ、って言う」
「えっ」
「やっぱりみんな本質は神であって、俺たちは量られてることを忘れちゃいけないよな」
「豊前江が言ったの?」
「? そうだよ」
審神者は不思議そうにおれを見た。あの豊前江が? あんまり想像できない言葉遣いだし、それよりも、と頭を抱えてしまう。
「どうしよう……」
「どうしたの」
「おれ、結構豊前江によく絡んでる……」
審神者はあちゃあ、と言った。

 おれは本丸に赴任し約四年が経った審神者だ。最初に初期刀として選んだのが、加州清光だった。最初の出陣で中傷を負わせてしまった際に、困ったようにぽつりと愛されないかなと言ったので、そんなことはないと背中を撫でた。
次に鍛刀してやって来たのが秋田藤四郎だった。外をあまり見たことがないというので、手を繋いで出掛けた。かくれんぼで茂みに隠れる彼を、見つけてはよく抱き上げたものだ──何が言いたいのかというと、赴任当初、おれは自前の触りたがりをきっちり封印して適切な距離感でいようとしていた。のだが、おれの本丸ではこの触りたがりがうまい具合にかっちりと嵌まっていたらしい。(そもそも刀剣男士は大抵の場合人間に優しい。)これを判断する根拠は感覚としか言えない。もちろん駄目っぽければやめておくが、豊前江の場合はそうでない分類だったのだ。まあ、全くの逆、駄目っぽいことが今日判明したわけだが。遅すぎる。
項垂れるおれに審神者が苦笑して、まあまあとフォローを入れてくれた。
「今日から気をつけていけばいいんじゃない? 豊前江が本気で嫌がるラインにも触れてなかったと思ってさ」
「うん……そうだよね……そうします……」
おれを慰めてくれた審神者は、彼の近侍がやって来て、じゃあまた機会があれば、と去っていった。それから少しして俺の本丸の今回の部隊長だった鶯丸が迎えに来た。
「主、そろそろ遅くなる。帰ろう」
「うん」
「どうしたんだ。なにか変だぞ」
「大丈夫……」
「なら、手でも繋ぐか?」
鶯丸が手を差し出してくる。手を取ろうとして、少し戸惑った。他の本丸の鶯丸はこういった場合どうするのだろう。もしかしたら、こういった風にしてくれるのも俺の本丸が異質なのだろうか。でも手を繋ぐのは好きだ。考えているうちに行こうと鶯丸が手を取ったので、おれはその手を離せなかった。帰路につきながらも悶々と考えてしまう。
ああなぜ今の今まで、この悪癖を直さなかったのか。



 改めて意識すると、おれは生活のほぼ全てに触れることへの情熱を傾けていたことが分かった。
「お早う!」
早朝、起き抜けに廊下を歩いていると、向こうからやって来た鶴丸が手を握った。少し前に、握手をするのは友好の証であるという話をしたらいたく気に入ったらしく、日課にしているのだ。おれは握り返しながら、じっと鶴丸の顔を見た。
「なんだ? 何か面白いものでもついてるかい」鶴丸はあどけなく笑った。
「いいや。顔はついてるよ」
そう言うと、鶴丸は「きみの顔には眠気がくっついてる。洗ってきたほうがいいぞ」と言い返した。目じりを彼の親指が撫でていって、彼の手がひんやりとしているのが分かった。
「きみの手は暖かくていいな。今朝は冷えた」
鶴丸はそう言って握っていた手を離す。彼の指先はわずかに赤く色づいている。火傷とは違うがよく似ていて、なんだか痛々しく見えてしまう。
「……握手するの、いまでも楽しい?」
「楽しいなんて言葉じゃまるで陳腐だ。刀生だな」
鶴丸は片目を閉じて人差し指を立てた。そう言い切ってくれるのであればいいのだが。顔を洗ってこいと鶴丸に背中を押され、彼とはそこで別れた。

 洗面所で顔を洗っていると、誰かに肩を叩かれた。
「ちょっと待って」
顔が濡れていて目が開けられないので、手探りでタオルを探す。「ほらよ」誰かが手渡してくれた。「ありがとう」これは誰の声だったかなと考えながら眼を開けると、件の豊前江が立っていた。
「おはよ。今日は早ぇな」
「ああ、うん。豊前江も」
「俺は徹夜。藤四郎の……厚に誘われて手合わせしてたんだ」
「徹夜?」
豊前江はに、と笑った。気を引いて怒られるのを待っている子供みたいな表情だ。うちの本丸では規則正しい生活を、がモットーである。もっともそれは建前みたいなもので実態としては各々好きにしているわけだが、一応モットーはモットーだ。
それを自己申告するというのは審神者が注意をしなければいけないということで──要するに、ちょっとした戯れみたいなものである。おれも常であれば「寝ろぉ」だとかなんだとか言って軽く小突いてみたりはするが、相手は豊前江。備前の審神者の言葉を借りるなら、これは量りなのではないか。出しかけていた手を引っ込める。
「……厚はどうした?」
「ん? やるだけやったら寝落ちした。んで、部屋に寝かしてきたよ」
「そうか。一晩中やってればそうなるよな」
「……ああ。なあ、怒んねーのか?」
豊前江がじっと俺を見るので、おれは気取られないように目を伏せた。
「鍛錬は悪いことじゃないし、夜にしかできないこともあるよ」おお、こんな言葉も言えるのか、おれ。
「……」
「それに豊前江と厚は夜戦向きの刀だ。強くなってくれるのは頼もしいよ」
言っているうちに本当にそうだという気がしてくるのは不思議なものだ。しかし、うん、やっぱりあれは触りたがりの弊害なのだ。わざわざ小突くのなんて考えてみれば嫌な感じがする。豊前江はどこか拍子抜けした様子だった。それでもしばらくすると気を取り直したようで、一つあくびをして頭を振った。
「……ちょっと眠気が酷いな。寝てくる。また用があったら起こしてくれ」
「うん。おやすみ」
「ああ」
豊前江が去って行ったあと、俺はよーし、と一人頷いた。

 それから俺はできるだけ意識して、豊前江に対して触るという行為を制限することに努めた。改めてみれば、俺が豊前江に触れる機会はそれなりに多いことが分かった。バイクの整備をしていて手が塞がっている彼に三時の菓子を手ずからやるときだとか、彼の膝で寝落ちてしまった篭手切江(たまに他の脇差や短刀もそうしている。)を自室に運ぶのに手を貸すときだとか、店に出向いて棚の商品を取るのに、後ろから肩に手を置いて代わりに取ってもらうのだとか──ちなみに、これは豊前江からになる。あとは手入れのときだ。こればっかりは触らないとどうしようもないので、例外ということにしている。
不思議なもので、触れる機会を意識的に減らしているとなんだかぼうっとしていることが多くなった。手元が覚束ない感じだ。安心毛布じゃあるまいしと考えてはいるが、最近は他の刀への触り方も、よくわからない。ついには鶴丸の握手にさえ逡巡してしまって、なんだかぎこちない挙動になってしまった。触ることはすきだ。それなのにいざやり方がわからなくなると、遠ざけてしまう。

「こんでぃしょんが悪いのですか?」
そんなことを篭手切江が尋ねてきたのは、二週間ほど経った日のことだった。
今日の近侍である彼は、とん、と書類の端を揃え、「なんだか、最近の主からは憂いを感じます」と淡々と言った。
「そうかな」
「はい。いめちぇん、ですか」
りいだあも最近横顔がきれいなんです、と篭手切江が言った。それは良いことだと思うのだが、彼はなんだか腑に落ちないといったふうだった。
「きれいになるのは悪いことなの?」
「あまり良くない兆候です。美しくなったというならそれは良いことですが、きれいになった、だと少し違います」
俺にはその違いがよく分からなかった。首を傾げていると、篭手切江はええと、と手を当てて考え込む。
「つまり、ですね……きれいになったというのは、それそのものが元々持ち合わせている要素を幾らか削ぎ落として、ある一点を磨き上げたということです。全てではなくて、一部なんですよ。対して美しくなったというのは、すべてがそうなんです。それそのものの全てが輝いていて、良いということなんですよ」
だから心配です。篭手切江は言いながら、俺を見た。
「そういえば、最近りいだあと主は話しませんね」
うん、と返事をする。篭手切江はため息をついた。
「……おれが原因?」
「私からはなんとも」
ただ篭手切江はふと思い立ったようにおれに手を差し出した。反射的に握り返す。篭手切江はますますむうとした顔になって、溜息をついた。
「嬉しいですが、私じゃないんです! りいだあに、こういうことをしてあげるべきですよ」
「こういうこと……」
つまり、握手か。イヤイヤ、と首を横に振ると篭手切江は「なぜですか?」と尋ねた。
だって豊前江的にはこういうのアウトだろう──などと、言っていいのだろうか。そもそも篭手切江も同じ刀剣男士であって、それはじゃあどうして握手できるのかそれは気安くないのかという話にならないだろうか。(反射的に握っておいて何を言うのやら。)おれの不平等がばれてしまう。
しかしこのままにしておくのもばつが悪い。最近の豊前江の様子におれへの不信感があるのも薄々感じている──考えた結果、思い切って話してみることにした。



 話を聞いた篭手切江は、「話はわかりました」と静かに言った。怒っているわけでも悲しんでいるわけでもないようだ。笑っているというわけでもないが。おれも話し終えるとこれまでのことが気になってきて、「やっぱり鬱陶しいとか思ってたかな? なんか言ってなかった?」と聞いてしまう。篭手切江は微笑んでいる、というか微笑ましいといった表情で、「ぷらいばしいがあるので、私からはなんとも」と答えた。まあ、確かにそうだ。
「ただ……」
「ただ?」
「私はりいだあと主が不仲でないかと心配していたので、その可能性はなくて良かったです」
不仲で解散とはよくある話ですからね! と篭手切江が言う。解散ってなんだ。おれと豊前江はアイドル仲間じゃないぞ。言うと、篭手切江はまた笑うのだった。
「きっといいことがありますよ」
そんな意味深な台詞を残して、篭手切江は作業を再開した。追及するのもなんだか野暮なので、篭手切江の横顔を見るに留めた。いいことってなんだろう。篭手切江なりのはげまし、なんだろうか。おれは首を傾げたが、その真意が分かるでもないので諦めてパソコンと睨みあった。
篭手切江の言った言葉の意味が分かったのは、その約6時間後の夜のことである。

 仕事を終わらせて篭手切江と風呂に入り、廊下で別れたあとのことだった。おれの部屋の前に内番着姿の豊前江が仁王立ちしていたのだ。いわゆる逆光で非常にシルエットが暗い。びっくりした。
「豊前江?」
「……おう。待ってたぜ」
何か用事があったのだろうか。とりあえずおれの部屋に入れようと近づいていくと、ぎゅっと腕を掴まれた。グローブ越しでない豊前江の手は骨ばっていてなんだか熱い。ただ事ではない感じがして身構えると、豊前江が歯がゆそうな面持ちになって顔を近づけた。眼球と眼球の隙間が限りなく狭いと思えるくらい顔同士が近づいている。なんなんだろう。
「……いつまでほたるつもりちゃ」ややあって、豊前江がぽつりと言った。
ほたる? 豊前江はむ、と眉を寄せて言い直した。
「なんで叱ったり、褒めたりしてくんねーんだ」
褒めるのはした。と言い出せる空気でもなし。豊前江は俺に返事を促すように腕を握りなおした。
「あー……」
「最近、あんまり触んねーだろ、俺のこと」
おれの歯切れの悪い返事に、豊前江がはあ、とため息をついた。
「気安い、とか思ってんじゃねーだろーな」
ぎく、と肩が揺れる。豊前江は目を細めて若干おれを睨むように見た。「図星……」呟かれた言葉の声色が低い。なんてやつだ、偵察値はそんなに高くないのに。困り果てていると、豊前江はようやく近づけていた顔を離して溜息をついた。片手で髪をぐしゃぐしゃと掻き回している。
「悪い。篭手切のやつから聞いた」
「ああ」
昼間の篭手切江の言葉を思い出す。そういえばさっき別れたときもずっとにこにことしていたがこういうことだったのか。
「それで合ってる」
ひとまず肯定する。豊前江が腕をつかむ力を緩めて、またつまらなさそうに溜息をついた。だんだんと冷えてきたので、豊前江をおれの部屋に入れることにした。来いと言うのも何なので片手を握る。豊前江はじっとその繋がれた手同士を見てなんだか悔しそうにしていたが、静かについてきた。


「まず、結果としておれはお前を不愉快にさせた、ってことは分かる。だから、そこはごめん」
部屋に入り、お互いが座ったタイミングでおれはそう切り出した。頭を下げると豊前江が少し慌てて、「やめろって」と言った。豊前江があまりにも困っていたので姿勢を戻す。
「ちゃんと話すよ」
豊前江がぱちぱちと瞬きをする。それで、ようやくおれは事の次第を話し始めた。



 話し終えると、それまで黙って聞いていた豊前江が「なあ」と言った。
「なに?」
どんな返答がくるだろう。呆れられているような気もするし、怒っているようにも見える。豊前江はんん、と考える様子をみせてから、ふいに俺の膝に頭を預けて寝転がった。腕を俺の腹に回して豊前江が密着する。それから2、3度、俺の腹に豊前江は頭を擦り付けた。ちょうどいい塩梅の場所が決まらない猫みたいで、彼はひとしきり俺の腹あたりを探っていた。
「よかった」
くぐもった声だったが、豊前江は確かにそう言った。彼の後頭部がぐるりと寝返って、下から俺を見上げてくる。
「篭手切が、なんで俺の膝を借りたがんのかずっと分からんち思っちょったけど」
「……」
「安心するんだな」
彼はゆっくりと瞼を下して、そんなことを言った。
「俺はあんたに触れてほしいよ。他の本丸の豊前江がどうだかは知らん。でも、俺はそうだ。そういうふうに生まれついてんだ──あんたを主に選んだんだから、当然のことなんだけどな」
「おれ?」
「触ってると安心すんだろ。だったら、主のやりたいようにすればいーんだよ」
甘い言葉だった。なんというか、おれの都合のいいように出来すぎている。
「触っていいの?」恐る恐る尋ねる。
「いいよ」
豊前江の瞼が開く。どうしてか、昔触らなくなった金魚の鰭を思い出した。豊前江の頬に手を滑らせると、懐かしい滑らかな感触が思い起こされた。おれの手の上にそっと彼の手が添えられた。満足そうに豊前江が笑っている。
「やっぱり悪くないな」
彼の輪郭を確かめるようになぞっていると、豊前江がくすぐったそうに顔を背けた。けれどもやめろ、とも気安い、とも言われなかった。
「おれの勘違いだった?」
「……ん……なにが?」
「気安くないかなってことが」
「俺はいいと思うよ」
「そう」
そう言われるとたまらなくなって、おれは豊前江の髪を思い切り撫でた。ずっと我慢していたぶん喜びもひとしおだ。
「わぷっ」
勢いあまって豊前江の頭を抱き込む。ふ、と腕に豊前江の呼吸を感じた。それから、彼がおれの腕を軽く叩いたので解放する。
「ごめん」
「……思ってねーな?」
豊前江が起き上がって、意趣返しのようにおれの体をぎゅうと抱き込む。「あー……」長い安息のような声に笑ってしまう。それから彼はおれごと自分の体を倒して、あらためて顔を覗き込んだ。おれも久しぶりにきちんと豊前江の顔を見たが、たしかに篭手切江の言うとおり、きれいになった。
「もう、するなよ」
「……うん、ごめん」
よかった、と豊前江が笑った。なんだか彼の温度がいつもより高い気がして、おれはどきどきとした。夜更けで空気が冷えているせいかもしれない。豊前江の腕の中はひどく心地が良かった。微睡んでいるおれの頭を豊前江が撫でる。
「明日はいちばんに起こしに来るよ。だから、俺を近侍にするだろ?」
あまりにも得意気に言うので、おれはいいよ、と夢うつつにそれを了承したのだった。



 豊前江は宣言通り、朝いちばんに俺を起こしにやって来た。二人で廊下に出て洗面所に向かう途中、また鶴丸に会った。いつも通り握手をしに来たらしい鶴丸は、おれたちを交互に見比べて「万事上手くいったようだな」と呟いた。
「鶴丸もなにか協力したの?」
「いいや。協力はしてないが、きみにははっきり言ったつもりだったんだけどなあ……とにかくこれは駄賃代わりにいただくぜ」
鶴丸は笑顔で手を握る。隣にいた豊前江があっと声を上げた。
「なんしよんか!」
早急におれたちの手は引き剥がされ、豊前江は念入りに俺の手を握った。鶴丸はワハハ、と愉快そうに笑って、「な? これが刃生ってやつさ」などと言っている。見る限り、鶴丸は豊前江のことをからかっているようだ。
「お前の人生それでいいのか?」
「そうだなあ。横から攫ってみるってのも悪くなかったな」
「面白くないから、やめろ」
割って入る豊前江の声色は至って真面目だ。鶴丸は両肩をすくめて(どこで覚えてきたのやら。)退散していった。
「豊前江」
呼ぶと、鶴丸が去って行った方を向いていた豊前江がこちらに顔を向ける。握られた手をいちど離して、再び繋ぎなおした。
「やっぱり好きだな」
「んー……」
「ありがとう」
「いいよ。……惚れた弱みちゃ」
豊前江はやっぱり熱い手をしている。──今はおれのせいも、あるかもしれない。


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