07


「……触るよ」
「だ、だめ……」
「……だめ?」
「う、……や、やっぱりいいよ……」

おれもかなり緊張してはいるが、おれが若干戸惑うくらいにセキルはガチガチに固まっていた。本人の言う通り、本当に初めてなのだろう。いや、初めてで緊張しないほうがおかしいよな。
そんな彼女を落ち着かせるように「おれの方こそ初めてだから……なにか思うことがあったら、すぐ言ってな」と言い聞かせる。セキルはおれのバスローブを赤ちゃんみたいに握りしめながら、弱々しく頷いてくれた。ああめんこいな、この子はおれがまもらなきゃ。

バスローブの上からセキルの体に手を置いた。やわっこくてもちもちで、触る度に「わあ、すごい……」と率直すぎる感想がててくる。セキルはそんなおれの手が動く様子を、じっと大人しく見つめていた。時折「ぞわぞわする……」とか「へんたい……」とかぶつぶつ言いながら、身動ぎしたり枕で顔を隠したり、反応がめんこくて手を動かすのをやめられない。
「……ね、取ってもいい?この帯」
「う、ぅ」
「取っちゃお……」
片手で帯の結び目を解いて、ベッドにパサりと落とす。セキルはそれに対して、ローブがはだけないように前端を一生懸命押さえ始めた。弱々しい抵抗だなと微笑みながら、触るのにも慣れてきたので、遠慮なく内ももを揉みほぐすおれ。本当に柔らかい。女の子って感じの体だ。
それからバスローブの中に手を入れて、素肌に直接滑らせてみる。たったそれだけでセキルは体をビクつかせて、「うぅ……」と耐えるように枕に顔を埋めている。
あの、セキル。気づいてないかもだけど、もうとっくにローブさはだけてるよ……。手で押えてるところがもはやまったく意味をなさず、むしろセキルが縦横無尽に動くせいで、すでにほとんどが丸見えになってる。
そうだ、なにか足りないと思ったら、この子上の下着つけてないんだ。おれは初めて直接目にするセキルの胸元にごくりと唾を飲んだ。お、おおきい。さ、触りたい。触って、揉んだりしたい。小心者すぎてさっきからその部分だけ触るのを避けてしまっていたが、おれはついにセキルの大きな胸にすすす、と手を滑らせた。
「ああ、すっげ、きもちい……」
「あ、あ、……へんたいの人だ……」
「にへへ……変態でもいいよ、おれ」
両手を使っておそるおそる触っていると、セキルの手がおれの腕を掴んで抵抗を始めた。抵抗とも言えない弱い力で。「もうやだ」とか言ってるけど、そろそろ真面目にやんなきゃこの先に進めない。
そう思って、指先でゆっくり胸の先端付近を触り始めた。
「……ぁ、う」
「痛かったら、言って」
「い、痛くはないけど……なんで、そんなとこ、触るの……」
「なんでって、セキルのきもちいいところ……だべ?」
「……だ、誰に聞いたの……」
誰にも聞いてないって、そんなこと。人間の一般的な性感帯ってだけ、なのにセキルは自分の秘密を知られてしまったかのような反応で、訝しげにおれを見ている。その間も触られたりつままれたり……おれの指が慣れない動作でセキルの弱いところをいじめている。
息が荒くなって胸がゆっくり上下するのを、おれはひたすら観察した。にへへ、もう目が慣れて直視できるようになっちまった。
「ここ、きもちいい?」
「……わ、かんない……でも、きらいじゃない……」
「そっか、よかった」
どのくらいここを慣らしたらいいんだろうか。加減がわからなくて、次にどうしようかと思案していたら、セキルが自らの脚を擦り寄せて「そんなとこばっかり触らないでよ……」と弱々しく言った。ちょっと執拗に触りすぎたかも。一旦手を離し、セキルの横にごろんと転がって休憩タイムをとることにする。
「セキル、こっち向いて」
「……なんか、スグリくん、……楽しくなってない?」
「うん、楽しい。セキルの恥ずかしいとこさじっくり見れて」
「……」
何か言いたげな顔をするセキルに隙を見て口付ける。ここまでくると、キスをするのも抵抗がなくなってきた。彼女の言う通り、だんだん楽しくなってきて、何度も口付けたり、頬を擦り寄せたり、精一杯セキルを可愛がった。


「濡れてる……」
「い、言わないでっ」




「そろそろさ、脱がすよ、これ」
「いやぁ……」
「だめ?」
「…………す、スグリくんも脱いでよ……」
顔を覆っていた枕が少し下にズレて、セキルの目がおれを見つめた。それはたしかに、ひとりだけ裸になるのもいやだよな、と納得。
「わかった。……とりあえず、バスローブから」
ベッドの上で膝立ちをして、ローブに手をかけたおれはそこで思わず固まった。あ、おれの下半身、既にわやなことになってるんだけど、どうしよ。引かれるかも…………。
……いーや、ここまできたらもう後にはひけない。どうとでもなっちまえ!の精神でおれはバスローブを脱ぎ捨てた。
「わああ!脱がないで……!へんたい!」
「セキルが言ったのに」
「目のやりどころに困る!」
「んだば、おれの顔だけ見てたらいいよ」
「ひぃ……!」
「なに、その反応……ちょっとヘコむ」
よかった、セキルは自分から視界を閉ざしてあんまりこっちを見ないようにしている。今だけはずっとそのままでいてほしい。
「だって、男の人のはだかなんて、見たことないもん……」
「そんなこと言ったって……昔とーちゃんと風呂入ったりしなかった?」
「そ、そんなの一回もない!」

「いつも私の体清めてくれるの、女の人だけだったもの……」
「……?それって、家族?」
「……えっと、……ま、まあ、身内みたいな、感じだけど。とにかく!私は見たことないの……だから、慣れるまで待って……」



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