色々あった体育祭もなんやかんや大盛り上がりで幕を閉じ、あっという間に夏休み。しかし例年通りの楽しい夏休みはどこにも存在せず、かんっぜんに受験を意識した長期休みになるであろうことに早くも心が折れそうだ。
ツイッターやゲームや漫画はしばらくおあずけにして、AO入試で自己アピールするための衣装制作と、これまでの作品をまとめたポートフォリオの制作に無心で取り掛かる私。現在七月の下旬、願書の提出は再来月から始まる。こういうものは早いうちから終わらせてしまったほうが後々楽になるからね。私は意外と宿題は早く終わらせるタイプなのである。あ、面接で使う自己PRシートも書かないと。
「……」
はるかちゃんは今年の四月から予備校の夜間部に通っており、今は絶賛夏期講習の真っ只中。そりゃあ会える日も少なくなるので、なんだか少し寂しいというかなんというか。もちろん予備校にも休日はあるので会おうと思えば会えるのだが、なんとなく気分的に今は会っちゃいけないような感じがして……ちょっと顔を合わせるだけでも誘いづらい。
私は早い時期に試験が終わる。でもはるかちゃんは国立を受けるのだから、当然センターもあるし実技試験もあるし合格発表はかなり遅い。ワンチャン卒業するのが先かもしれない。そんなの、ほんの少し電話をかけるだけでも気を遣うに決まってる。……決まってるのに。
『やほ〜、ニアちゃん。明日うち遊びに行ってええか?ああ作業の邪魔はせえへんから、僕もお勉強するだけやし』
はるかちゃん好き。
+
「来たで〜」
インターホンの外のマイクから聞こえてきた彼ののんきな声に返事をしてから、待ってましたと言わんばかりに急いで玄関のドアを開けば、この真夏の暑さで汗だくだくのはるかちゃんが「や」と片手を挙げた。
いつもの大きな荷物がないから、今日は本当にお勉強だけしに来たらしい。ていうか受験とは関係なく高校の定期テストがあるの、普通に忘れてた。私も最近は針とおともだちだったから今日はシャーペンと仲良しになろうかな。
「なんかひさしぶり?」
「終業式ぶりやね。やっぱ学校ないとなかなか会えんから寂しいわ。でも僕ら家近いからラッキーやで」
「そうだねえ」
彼が言われるまでもなく後ろ手に扉の鍵を閉めたのを見届けてから、くるりんと振り返ってリビングに帰ろうとした私。を、後ろから甘えるように抱きしめてきた彼。こんなにも身長差があるのに無事に受け止められるはずがなく、「うげ」と呻き声をあげながら倒れそうになった。
「……はるかちゃん重い」
「あ〜涼しいわあ」
「ねえニアちゃん」
「なーに?」
「休憩しようや」
時計を見ると、もう時刻はお昼すぎ。時間経つの早すぎ。そうだね〜とシャーペンを置いて伸びをする私に、彼は慣れたように台所に行き冷蔵庫からお茶を出した。
暇があればすぐに遊びにきてくれるんだよなあ彼は。この家に両親がいることが少ないからだけど。反対に、向こうはお姉さんや妹ちゃんが毎日誰かしらいるみたいだから、だから遊びにいけないってわけではないのだけれど、実際私がはるかちゃんの家にお邪魔した回数は実はかなり少ない。
「ほら、ニアちゃんの分」
「ありがと」
テーブルからソファーに移った私に手渡されたコップのお茶を、ありがたくごきゅごきゅ飲み干す。ほんと気が利くよねえ。飲み終わったのを見計らってはるかちゃんが手を差し出したので、空になったコップを渡すと彼はまたそれにお茶をついで今度は自分で口をつけた。
二人でひとつのコップね。エコやね。
「」
ツイッターやゲームや漫画はしばらくおあずけにして、AO入試で自己アピールするための衣装制作と、これまでの作品をまとめたポートフォリオの制作に無心で取り掛かる私。現在七月の下旬、願書の提出は再来月から始まる。こういうものは早いうちから終わらせてしまったほうが後々楽になるからね。私は意外と宿題は早く終わらせるタイプなのである。あ、面接で使う自己PRシートも書かないと。
「……」
はるかちゃんは今年の四月から予備校の夜間部に通っており、今は絶賛夏期講習の真っ只中。そりゃあ会える日も少なくなるので、なんだか少し寂しいというかなんというか。もちろん予備校にも休日はあるので会おうと思えば会えるのだが、なんとなく気分的に今は会っちゃいけないような感じがして……ちょっと顔を合わせるだけでも誘いづらい。
私は早い時期に試験が終わる。でもはるかちゃんは国立を受けるのだから、当然センターもあるし実技試験もあるし合格発表はかなり遅い。ワンチャン卒業するのが先かもしれない。そんなの、ほんの少し電話をかけるだけでも気を遣うに決まってる。……決まってるのに。
『やほ〜、ニアちゃん。明日うち遊びに行ってええか?ああ作業の邪魔はせえへんから、僕もお勉強するだけやし』
はるかちゃん好き。
+
「来たで〜」
インターホンの外のマイクから聞こえてきた彼ののんきな声に返事をしてから、待ってましたと言わんばかりに急いで玄関のドアを開けば、この真夏の暑さで汗だくだくのはるかちゃんが「や」と片手を挙げた。
いつもの大きな荷物がないから、今日は本当にお勉強だけしに来たらしい。ていうか受験とは関係なく高校の定期テストがあるの、普通に忘れてた。私も最近は針とおともだちだったから今日はシャーペンと仲良しになろうかな。
「なんかひさしぶり?」
「終業式ぶりやね。やっぱ学校ないとなかなか会えんから寂しいわ。でも僕ら家近いからラッキーやで」
「そうだねえ」
彼が言われるまでもなく後ろ手に扉の鍵を閉めたのを見届けてから、くるりんと振り返ってリビングに帰ろうとした私。を、後ろから甘えるように抱きしめてきた彼。こんなにも身長差があるのに無事に受け止められるはずがなく、「うげ」と呻き声をあげながら倒れそうになった。
「……はるかちゃん重い」
「あ〜涼しいわあ」
「ねえニアちゃん」
「なーに?」
「休憩しようや」
時計を見ると、もう時刻はお昼すぎ。時間経つの早すぎ。そうだね〜とシャーペンを置いて伸びをする私に、彼は慣れたように台所に行き冷蔵庫からお茶を出した。
暇があればすぐに遊びにきてくれるんだよなあ彼は。この家に両親がいることが少ないからだけど。反対に、向こうはお姉さんや妹ちゃんが毎日誰かしらいるみたいだから、だから遊びにいけないってわけではないのだけれど、実際私がはるかちゃんの家にお邪魔した回数は実はかなり少ない。
「ほら、ニアちゃんの分」
「ありがと」
テーブルからソファーに移った私に手渡されたコップのお茶を、ありがたくごきゅごきゅ飲み干す。ほんと気が利くよねえ。飲み終わったのを見計らってはるかちゃんが手を差し出したので、空になったコップを渡すと彼はまたそれにお茶をついで今度は自分で口をつけた。
二人でひとつのコップね。エコやね。
「」