おうちデート


「……ぁ、はくりゅ、さま」
行為中、白龍さまのお手が此方の腹に、すなわち古傷に触れる度に、色々と余計なことを考えてしまって不服です。此方としてはもう完全に過去のものとなっていたそれは、今となっては着替える時も風呂に入るときも気にしなくなっていたはずなのに、どうしてこんなときに限って白龍さまの顔色を伺うような真似をしてしまうのだろう。……こうなるのが怖くて一生懸命ひた隠してきたのに、あの日、かねてより此方の腹の包帯を不審がっておられた白龍さまにそれを暴かれてから、ずっとこの調子。あからさまに触れたわけじゃない、腰を掴むついでに指先が触れただけでこれである。彼は困り眉になった私にむっとして片手のひらでぐっと額をふとんに押し付けた。
「他のこと、考えないでくれます?」
いくら不機嫌そうにしていても、決して痛くしないところが好き。弱々しくごめんなさいと言いながらも、あからさまに笑い出す私に今度こそお怒りになったらしく、彼はすぐに手を腰に戻した。両手で腰を掴んで持ち上げて、反動を利用して腰を叩きつけてきた。
「はぁ、なに、へらへら、してんですか」
「んっ……、ん、ぁ…………♡」
「無視ですかそうですか」
「っあ♡それ、っやだ、やぁ……っ♡」
ぐちゅ、ぐちゅ。接合部からいやらしい音が聞こえてくるのも気にならないくらいきもちい。白龍さまの声なんてもう聞こえてない。聞こえてるけど、脳はあそこの感覚ばかりを捉えるからもうだめ。ていうかこの体勢はろくに身動きがとれないうえに、届いてほしいところに届いてしまうからもうだめ。白龍さまの思惑通り、さっきまで考えていた色々なことは即座にどこかに吹き飛んでいき、私はただただきもちいのを追い求めるいきものと化してしまった。
「ぁ、ん♡っはぁ、きもちぃ……っん、ん」
「まったく、あなたという人は……どうぞ、そのまま気持ちよくなってください」
「ん、ぁ♡だめ、……っだめ、いっちゃう♡いく、いく、やぁだ♡っい、く♡」
「やだじゃ、……ないで、しょ?」
顔の近くでそんなふうに笑われて、恥ずかしさでいっぱいになりながら体をビクつかせた。子宮の収縮でおなかがぎゅうぎゅう。ぶわっと一気に押し寄せてくるさらに強い快感。少し苦しそうにする白龍さまのお声。手を握られ、ぐりぐりと奥の奥に押し付けられながら、温かい液が中にばら撒かれる。とろん、と全身を脱力させて呼吸を整えていたら、追い討ちをかけるように熱々のキスが降り注ぐ。繋がったまま、白龍さまは私の唇と口の中をさんざん味わったあと、次に首筋に頭を埋めてキスマークを何個も何個も作り出した。その刺激すら気持ちよく感じてしまうくらい、もう私は彼の手中にいる。

「はぁ、ん、……っぁん♡、はく、りゅうさまぁ、……すき、すきっ♡」
「あぁ、可愛いこと言って。よしよし、もっと乱れていいんですよ、淫乱」
太もものうえにまたがりながらだいしゅきホールドをするこなたに、よしよししながらも容赦なく下から突き上げてくる白龍さま。既にたくさん解されているからきもちいの加減がバグっていて、なんだか常にいき続けているような感覚がする。「国中の屈強な刑吏を執り仕切るあなたが、夜はこんな、あられもない姿になっているだなんて城の誰も思わないでしょうねぇ」なんて声が聞こえる。うるさいなぁ……こっちはちょっと動くので精一杯なのに、彼はおとこのひとらしい底知れぬ体力と、いつもの減らず口で此方のことをたくさんいじめてくる。でもそれらが全てきもちいいのに変換されてしまうから、へんなこえを出さずにはいられない。
「ん、……っん、や、へん、たいっ、のはくりゅう、さまに、……ん♡言われたく、な」
「なんですって?よく聞こえませんでした」
「あっあ♡……っんやぁ、っ♡」
ぬち、ぐちゅ、くちゅ、ぬち。とめどなく溢れ出てくる液体のおかげで、白龍さまのそれをまんまと飲み込んでしまうこなたのあそこ。煌ではこんなに体を許すことなんてなかったのに、鬼倭に帰ってきてからはたっぷり交わるようになったから、すっかり白龍さまの形に変わってしまったかもしれない。そう思うほど的確にきもちいところを突かれるから、つい腰があがってしまうけど、おしりを鷲掴みにされて逃げるのも許されない。きもちい。きもちい。こなたはこんなにいっぱいいっぱいなのに、どうしてそんなに余裕そうにいられるんだろう。私だってたくさん鍛えて……。
「赤琉、委ねてばかりいないでもっと動いて」
「ん、ん……♡ぁっ……ぁ、んっ♡」
「ええ、その調子」
ちがうや。きもちいのを得るために自分から余計な力を入れないようにしているだけ。なのに下腹部だけはぎゅうぎゅう締め付けちゃうから感覚が一縷に襲ってくるのだ。白龍さまのお言葉通り前後に腰を揺らして動くと、勝手にピンポイントで欲しいところを擦ってしまってよだれが出てきた。はずかしいけどなにも考えられないからもはやはずかしさなどない。垂れ落ちるそれを舌で掬って、そのまま深い口付けをする白龍さま。髪を下ろす彼もうるわしい。もう何度同じことを思ったことか。
「んっ、ん、……んっ♡」
ぼんやりと視界に映る彼を見下ろしながら一生懸命舌を絡めた。もう上も、下も、全身ぐちゅぐちゅ。もはやうっすらしか開かないまぶたの向こうから彼の舐るような視線を感じながら、ろくな声も出せないまま再び果てた。

「あなた、そういえば健彦殿に呼ばれていましたよ。このあと」
「………んぇ………」
枕を背にし足を広げて座る白龍さまの間に入って、もはやどちらのか分からない粘液をお口でおそうじするこなた。まだ若干かたさの残ったそれをん♡ん♡と喉に押し込めているそんな時に、突然話しかけられても目で返事をすることしかできず……なおさらそれが重大な報せだったために、つい咥えたまま彼を見上げた。
「ふふっ、かわいい顔。でもこんな姿じゃあ、とても王の御前には赴けませんもんね。いいですよ、バックれましょう」
大それたことを言う……。自分の立場わかってないくせに。ていうかなんでそんな大事なこと教えてくれなかったの。あとでビシバシしばかれちゃえ。何かしら言い返そうと思って、いい感じに舐めとってから顔をあげるも、たちまち二の腕を掴まれて飽きずにまた深い口付けをされるからそれは叶わなかった。いつもこうだ。おふぇらしてもらったあとにキスするのが好きらしい。自分のに不味そうにするのに笑ってるからへんなの。
「俺は気にしてないって言ったでしょう」
「……?まずいのに?」
「違います。それじゃなくて。まあそれもべつに気にはしてませんけど」
白龍さまは自分の口周りを指で色っぽく拭ってから、それを色っぽく舌で舐めた。色っぽい。あれはきっとわざとやっているに違いない。
そのあと、四つん這いになって私を押し倒すからまだやるつもりなのかと身構えたけど、すぐに隣にごろんと寝転がる白龍さま。片肘をついて、もう片方の手をこなたのおなかに置いた。
「これ。半ば無理やり暴いたのは申し訳ないと思っていますよ。でも俺はあなたのことならなんでも知りたい。隠しごとは嫌いです」
「……ん」
「だから、この傷のことも知れてよかった。それだけですから」
白龍さまはこなたのお腹の傷を撫でに撫でた。しつこいくらい。しかもなでなでしながら言うのだった。
「赤琉殿、どんな姿でも俺はあなたのことを愛しています」
「……あんまりはっきり言わないでください」
「ええ?さっきはさんざん好き好き言ってたくせに。よだれ垂らして、腰振って」
「うるさい!」
にやにやと笑うお顔すら色っぽいの反則すぎてやだ。彼は前触れもなくどストレートにそういうことを言うからやだ。思わず彼の胸元に擦り寄って顔を隠そうとしたら、白龍さまは今度こそその気になったのか私の上で四つん這いになって「もう一回、いいですか」とおねだりをし始めた。彼らしからぬ甘々な空気。こっそりと目線をそちらにやったら、確かに若干立ち上がりかけている。きゅん。此方のおふぇらがそんなによかったかな。へへ。
「赤琉、……健彦殿にはあとで一緒に怒られましょう。それより今はあなたといたい」
「……お元気ですね」
「歳盛りなので。どうぞお付き合いください」
さっきのお話があったから、白龍さまはまず此方の腹に手を置いてゆっくりと最初からやるみたいに丁寧に愛撫をした。やりたいことをやり遂げて、皇帝の座も妹君に譲って、今はまあ指名手配されているところだけれど、肩の荷がおりてすっきり爽快気分なのだろう。こんなに楽しそうにする白龍さまを見られて、こちらとしても嬉しい限りだ。
「……んへへ」
「奇妙な喘ぎ声ですね」
「うるさぁい、白龍さまのばーか。えへへ」
「は?」
ぬるっと指が挿入ってきた。
「ぁ♡っんやぁ♡……っ待っ、ごめ、なさ♡」
「ん、すぐ謝れてえらい子ですね。じゃあ手始めにこのまま何回かイかせてあげます」
「だ、だめ!も、もう、っ♡いっぱい、っん、いってるのに、だめ、♡……っやぁ」
「だめじゃない、だめじゃない。俺が挿れるまでどのくらい耐えられるでしょうねえ……トんだら叩き起こしますからね」
「そ、そんなの♡っぁん、やぁだっ♡し、死んじゃう……!死んじゃ、ぁ♡」
ほらぁ、白龍さまって怒らせたらこわいこわいなんだよなあ……弩Sの白龍さまだもの。絶対に隠し通すつもりだけど、もし、これがあの人が開けた穴だと知れたら、きっとすごく怒るだろうなあ。へへ。そんな考えも、再び襲いかかるきもちいのによってすぐにどこかへ吹き飛んだ。


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