「ち、父上!?いらしたのですか!?」
「どこへでも追いかける?なりませぬ、それでは誰がタケル様をお守りするのです」
「氷川家当主の座は父上にお返し致します。ただしこの『華刀』については返上するわけにはございません。たとえ国宝だとて、あなた方の毛嫌いする海外の気が混じっていては扱いに困りましょう。此方が責任を持って預かります」
茶屋で寂しく落ち込む赤琉
「よぉ。ここにおったか」
「た、タケル様……どうしてこんなところに」
「人払いは済ませておる。それに、おれもちょうど茶を呑みたかったとこじゃ」
「あやつの言うことなど気にするな!その新しい眷属の主がどこの誰かは知らぬが、少なくともおぬしが心を開いた人間であることは確かなのだろう。眷属とはそういうもの」
言えない。煌帝国の、よりにもよって皇子さまの眷属になっただなんて。
「でも此方はもう胸を張ってタケル様の部下であると言えなくなってしまいました」
「そんなことはない」
「此方の考えが甘かったのです。不安になりながらも国の皆はきっと受け入れてくださると、心の奥では楽観的に考えておりました。でもそんなわけがありませんでした。此方の忠誠心が及ばなかった……もとはお国のために海外へ赴いたのに、そんな折に他国の知り合って間もないお方に現を抜かしてしまうなど、もう此方は氷川を名乗ることなど出来ませぬ」
「此方は決めました。お国を出ることにします。もう二度とこの島には戻りませぬ。父上にもそうお伝えください」
「待て待て待て。早まるな」
「此方は後悔しています。あの時タケル様のお気持ちに従ってお国を出なければ、こんなに苦しいことにはならなかったのに」
でもあの時国をでなければ、確実にべつの後悔が生まれていた。
「叶うことなら他の誰でもなくタケル様の眷属になりたかった」
「赤琉」
「……なんて、今の此方にはそんなことを言う資格もございませぬ。もう赤琉のことはお忘れくださいまし。あなたの部下には元より此方など必要なかったのです」
数週間ほどは二度と戻らない国の景色を目に焼き付けて
タケル様の目を掻い潜って国を出た。
それから煌の下町に紛れて過ごした。
「どこへでも追いかける?なりませぬ、それでは誰がタケル様をお守りするのです」
「氷川家当主の座は父上にお返し致します。ただしこの『華刀』については返上するわけにはございません。たとえ国宝だとて、あなた方の毛嫌いする海外の気が混じっていては扱いに困りましょう。此方が責任を持って預かります」
茶屋で寂しく落ち込む赤琉
「よぉ。ここにおったか」
「た、タケル様……どうしてこんなところに」
「人払いは済ませておる。それに、おれもちょうど茶を呑みたかったとこじゃ」
「あやつの言うことなど気にするな!その新しい眷属の主がどこの誰かは知らぬが、少なくともおぬしが心を開いた人間であることは確かなのだろう。眷属とはそういうもの」
言えない。煌帝国の、よりにもよって皇子さまの眷属になっただなんて。
「でも此方はもう胸を張ってタケル様の部下であると言えなくなってしまいました」
「そんなことはない」
「此方の考えが甘かったのです。不安になりながらも国の皆はきっと受け入れてくださると、心の奥では楽観的に考えておりました。でもそんなわけがありませんでした。此方の忠誠心が及ばなかった……もとはお国のために海外へ赴いたのに、そんな折に他国の知り合って間もないお方に現を抜かしてしまうなど、もう此方は氷川を名乗ることなど出来ませぬ」
「此方は決めました。お国を出ることにします。もう二度とこの島には戻りませぬ。父上にもそうお伝えください」
「待て待て待て。早まるな」
「此方は後悔しています。あの時タケル様のお気持ちに従ってお国を出なければ、こんなに苦しいことにはならなかったのに」
でもあの時国をでなければ、確実にべつの後悔が生まれていた。
「叶うことなら他の誰でもなくタケル様の眷属になりたかった」
「赤琉」
「……なんて、今の此方にはそんなことを言う資格もございませぬ。もう赤琉のことはお忘れくださいまし。あなたの部下には元より此方など必要なかったのです」
数週間ほどは二度と戻らない国の景色を目に焼き付けて
タケル様の目を掻い潜って国を出た。
それから煌の下町に紛れて過ごした。