「どうぞ。召し上がってください」
目の前に広げられた料亭のような料理を見てびっくり仰天せきる
「こ、こんなに頂戴してもよいのですか?だいたいこんなのどうやって……?皇子さまは別で頂かれてるはずですよね?」
「俺が用意しただけですが。何か不満でも?」
「お、お料理を!?」
そういえばシンドリアの船で一度や二度白龍皇子直々にご馳走を頂いた覚えがある。お弁当もそうだったっけ。以降シンドリアから北天山への旅中は買ったご飯だけだったし、それ以外で煌のお料理を頂く時は他に用意して下さる人がいたから……白龍皇子がお料理が得意なことを忘れていた。
「いえ、不満などと申す気は到底ございませぬが……此方はまたあなたさまの世話になってしまうのかと、己の不甲斐なさに絶望しているところなのです」
「すぐに慣れますよ。毎日でも食べていれば」
「え?毎日?」
「別にこれは歓迎用に豪勢にしたのではなく、この規模が普通ですから、宮邸では」
「……此方を太らせるおつもりですか?」
「それも良いかもしれませんね」
「あなた、ご自分の立場わかってます?ここは煌帝国の皇族が住む首都落昌の宮殿ですよ。そんなところに本来いてはならない、他国から来た刺客を俺は匿っているんです。誰にも気づかれぬように細心の注意を払いながら」
「まあ、あなたをここまで連れてきたのは俺なんですけどね。赤琉殿も何やら事情があるみたいですし、協力頂けるのは俺にも好都合なので誠心誠意世話をさせて頂きますよ。ただし、ここで暮らしていくには俺の言うことを1から100まで全て受け入れる必要があります」
「言葉は選びません。赤琉殿はここで俺の駒になっていただく。拒絶するなら今のうちです。もし他に行く宛てがあるのなら、どうぞ今の話は忘れてお帰りください」
ここで彼に背を向けたら、もう二度と会えなくなる気がする。かつてアリババさまから託された、此方の大切な友人に。
「ここに残るなら、一品残らずご遠慮なく。俺が手を振るって作った料理です。味は保証しますよ」
此方はシンドリアで既に胃袋を掴まれた身である。これは決して言い訳ではないけれど、目の前にあるお食事を残して帰るなんて此方にはできなかった。鬼倭人はもったいない精神がすごいのだ。……これから煌帝国の御仁に組みしようとしている人間が、いったい何を言っているんだか。
目の前に広げられた料亭のような料理を見てびっくり仰天せきる
「こ、こんなに頂戴してもよいのですか?だいたいこんなのどうやって……?皇子さまは別で頂かれてるはずですよね?」
「俺が用意しただけですが。何か不満でも?」
「お、お料理を!?」
そういえばシンドリアの船で一度や二度白龍皇子直々にご馳走を頂いた覚えがある。お弁当もそうだったっけ。以降シンドリアから北天山への旅中は買ったご飯だけだったし、それ以外で煌のお料理を頂く時は他に用意して下さる人がいたから……白龍皇子がお料理が得意なことを忘れていた。
「いえ、不満などと申す気は到底ございませぬが……此方はまたあなたさまの世話になってしまうのかと、己の不甲斐なさに絶望しているところなのです」
「すぐに慣れますよ。毎日でも食べていれば」
「え?毎日?」
「別にこれは歓迎用に豪勢にしたのではなく、この規模が普通ですから、宮邸では」
「……此方を太らせるおつもりですか?」
「それも良いかもしれませんね」
「あなた、ご自分の立場わかってます?ここは煌帝国の皇族が住む首都落昌の宮殿ですよ。そんなところに本来いてはならない、他国から来た刺客を俺は匿っているんです。誰にも気づかれぬように細心の注意を払いながら」
「まあ、あなたをここまで連れてきたのは俺なんですけどね。赤琉殿も何やら事情があるみたいですし、協力頂けるのは俺にも好都合なので誠心誠意世話をさせて頂きますよ。ただし、ここで暮らしていくには俺の言うことを1から100まで全て受け入れる必要があります」
「言葉は選びません。赤琉殿はここで俺の駒になっていただく。拒絶するなら今のうちです。もし他に行く宛てがあるのなら、どうぞ今の話は忘れてお帰りください」
ここで彼に背を向けたら、もう二度と会えなくなる気がする。かつてアリババさまから託された、此方の大切な友人に。
「ここに残るなら、一品残らずご遠慮なく。俺が手を振るって作った料理です。味は保証しますよ」
此方はシンドリアで既に胃袋を掴まれた身である。これは決して言い訳ではないけれど、目の前にあるお食事を残して帰るなんて此方にはできなかった。鬼倭人はもったいない精神がすごいのだ。……これから煌帝国の御仁に組みしようとしている人間が、いったい何を言っているんだか。