「……」
白龍さんが映画を観ています。白龍さんはマンションの一室を丸ごとぶち抜いて映画鑑賞用の大きなお部屋にしているくらいの映画好きなので、週に何回かはそこで一夜を過ごすくらいです(ここにもベッドがあるのです)。白龍さんがお家にいるときはずっとぴったりくっついて過ごしているから、例に漏れず私も一緒に映画を観ているのだけれど、なんだか少し飽きてきました。白龍さんはジャンル問わず片っ端から見まくっているみたいだけど、私は派手派手なアクションシーンがないとすぐに眠たくなってしまうのです。
なので白龍さんにかまってもらうことにしました。でも声をかけると邪魔しちゃうから、白龍さんの服を引っ張るだけです。でもでも、映画を観ていない時はこれだけでこっちを振り向いてくれるのに、……白龍さんはスクリーンをガン見したままでした。仕方がないので腕ごと抱き締めてぐいっと引っ張りました。それでも彼はやっぱり前を向いたまま、腕を引っ張られた状態のままスクリーンを見続けています。そんなに映画が好きなの。私と映画どっちが好きなの。映画憎し。
「……白龍さん」
「はい、なんですか」
「……飽きたの。かまって」
正直に言うと、白龍さんは少し笑いながら私を抱き寄せてぎゅっと密着してくれました。名前を呼んだら返事をしてくれるところは好きだけど、でもでもやっぱり視線はスクリーンを向いたままです。それに、今は別に笑うようなシーンではないのに、なんだか愉しそうに笑っています。もしかしたら白龍さんは私の反応を楽しむために、わざとこんな雑な対応をしているのかもしれません。……むかつくう。
私はついに痺れを切らして白龍さんの太ももに跨って膝立ちで仁王立ちをしました。これならスクリーンは見えないはず!と
私のお胸に顔を埋めて
「赤琉、いつからそんな大胆なことが出来るようになったんですか」
「……ふん」
「もう、可愛いな」