「おーねいさん♡」
待ち合わせ場所にいたのは、思っていたよりも大人びた顔立ちと体つきをした青髪の男の子。名前を聞かれたわけでもないのに、待ち合わせ相手が私だということが分かりきっているみたいに、彼は邂逅一秒で声をかけてきました。年下の子……だったはずだけど、私よりも背が高くてかっこいい感じの人だ。日差しは強くないのにまんまるなサングラスをしているのは、一応行いが行いだから身を隠しているのか、はたまたオシャレのためなのか。どちらにせよとってもよく似合っていて可愛らしいです。
「どこかで会ったことがありますか?」
「あぁ〜、おねえさんもそういうタチかい?あんまり好きじゃないんだ、その質問」
「……?」
ただ気になっただけなのに、話し始めて早々に不快にさせてしまったらしいです。
「あれだろう?おねえさんも、どうせ父さんの話を持ち出すんだろう?僕、会う人みんなにその話振られちゃうから、もう飽き飽きしちゃったよ」
「お父さまが有名な人なんですか?」
「……」
「ご、ごめんなさい、人の顔を覚えるのが得意じゃないんです。その、お名前を聞けばたぶん分かると思うんですけど……」
「珍しい〜!逆に嬉しいなぁ僕。ほら、テレビで見たことないかい?このひと」
「そもそも少し前までテレビがない家に住んでいたので……」
「むしろもうテレビなんて見ないでおくれよ!父さんのこと知らないままでいて欲しいな」
「あ〜、楽しかったなぁ。ごめんなさいおねえさん、実は今日持ち合わせが少なくて……これしかないんだけど、許しておくれ」
申し訳なさそうに手に握らされたのは、札束でした。
「でも、おねえさん可愛いしとっても気持ちよかったから、僕また会いたいなぁ……会ってくれるよね?」
手を握り、額をこつんと合わせて優しく微笑むアラジンさん。さっき自分が散々掻き乱したお腹を労わるようにさわさわと触れるから、思わず奥がきゅんと縮んでしまいました。これで何人もの女の子を落としてきたと言わんばかりの妖艶さにうろたえながら、返事に悩む私に構わず、彼は再び唇を合わせて深い深い口付けを交わします。
「ん、」
「おねえさん、……ねぇ、返事は?」
「えっと……」
「僕、おねえさんがいいって言うまでやめないよ。それとももう一回やるかい?最後まで」
「き、今日は時間が……」
あんまり遅くなると白龍さんに怒られてしまいます。
「じゃあ、今ここで言っておくれよ。ね、赤琉おねえさん。このまま離れるなんてやだよ。僕赤琉さんのこと、だーいすきになっちゃった」
「あー!よく言うよ、未成年淫行のくせに」
「あなたこそ人のこと言えますか?」
「僕らは未成年同士だもんね」