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「もういいのか」

『平気・・・久しぶりだったから、自分でも少し驚いたみたい』

「・・・そうか。病弱な娘が、そんな薄着でふらつくのはやめた方がいい」

『手、冷たい?』

背後から回された腕に触れれば、酷く冷たかった

『自分でも驚いてる、死ぬことは怖い。思っていたよりも、ずっと・・・』

「新零」

『・・・何』

「君は、笑っていた方がいい」

『・・・・・・』

「その方が、ずっと美人だ」

『・・・・・・・聖護は、私がいなくなったら淋しい?』

「どうかな」

『・・・・・・薄情者』

「何を今更」

『・・・死んだら1人なのかな』

「死んだことがないから、答えようがない」

『・・・・・・・・意地悪』

本を閉じて
振り返れば
少し怒ったようにわざとらしく頬を膨らませた新零がいた

「風邪を引くから早く、もう1枚着なよ」

『今日は、出かけないの?』

肯定してやれば、さっさと服を取りに行った
すぐに戻ってきて
画面の電源を入れて、コントローラーを渡してきた

「・・・・」

『全キャラ、レベルMAXなら文句ないでしょう?』

目を輝かせてこちらを見た新零に思わず笑ってしまう

「せっかくのハンデを自分で潰すとは」

『それだけやりこんだのだから、勝てるわ』

「ふふっ・・・お手並み拝見と行こうか」


無意識に1歩下がられた
そう感じた
近くなりすぎた距離を離すかのように
この関係がいいのだと訴えているようだ

必死にコマンド打ち込む様子からは、そんな風には感じない
彼女は純粋にゲームを楽しんでいるのだろうか

考えすぎか

減っていくHPを見ながら
コントローラーを構え直し
自分も純粋に楽しむことにした


しばらくプレイしているうちに、自分もソファの下に降りていたことに気づいた
2人並んでゲームをするのも久しぶりだ
勝敗は、半々
隙をついた方が勝っている


「そうだ、君はヴァーチャル空間に興味はあるかな」

『・・・?』

「たまには現代の遊びを覚えることを勧めるよ」


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