27 「あぁ、聖護くんが連れていた彼女なら父親が引き取ったよ 今頃、外科的な手術は終わっているだろけど」 「・・・・・・・・・・」 グソンが生前構築したシステムの入った携帯端末を使う 壊れていなかったのが幸いだった システムの完全普及の前なら、十分に移動ができる 端末をいじり、心音を見るが、依然反応はない シビュラの一員として身体は活動を止めたのか 別の方法で死を選んだのか 新零に取り付けていたそれに気づかれ、外されてしまったか いずれにしても、彼女の生存は考えにくい グソンを失うのとは、また違う感覚に息を吐く 白い息が後ろへと流れていく 生きることを大切にしていた 生と死を身近に感じることで今まで生きて来た彼女のことを思うと シビュラの一員になることなど 死よりもずっと辛いことだろう 「・・・・・・・・・・」 最後にみた不安そうな顔を思い出しては、 彼女の答えを聞いてみたいと思う 「死者からは、答えは得られないか・・・」 振り返ってもいない少女の影を振り切って 管巻の家へと向かう 彼女に合せて緩めていた歩く速度を元に戻した 白い塊に気づいたのは その途中だった ←→ 目次 |