番外7 「新零は、たまに槙島の旦那みたいな話し方をしますね」 『・・・貴方といれば、きっと貴方みたいな話し方になったと思うわよ』 「そうですかね?」 『もともと、正しい発音もできなかったの。 でも、知らないうちに、ちゃんと話せるようになったわ。 聖護が言うには、私は耳が良いのだそうよ。聞いた音をマネできるみたい』 「まぁ、貴方たちにとっては母語ですからね」 『貴方は、ここに入る時に覚えたの?』 「まぁ、そうですね。こっちの生活も長いんで今は不便も感じませんよ」 『貴方も大変ね』 「そうでもないですよ」 特にこちらを見るわけでもなく 淡々と会話をする グソンは、画面を見ているし 私は、本から目を放していない 「娘がいたら、こんな感じですかね」 『思春期の娘が、父親にこんな近くで話すはずがないでしょう?』 「それもそうだ」 『・・・グソンが、ロリコンじゃなくて良かったわ』 「俺が貴女をそんな風に見ていたら、間違いなく旦那が会わせないようにしますよ」 『そうなの?それなら、むしろ聖護の方が危険ね』 「どうして?」 『この前、鬱血痕つけられたの』 「はい?」 グソンが初めて私の方を見た気がした タイピング音も止んだ 『だから』 「いや、聞こえましたけど。いつからそんな関係になったんですか」 『何を勘違いしてるのか知らないけれど、何もないわよ?』 「・・・・・・・」 『あれって、中々消えないものなのね。すごく気持ち悪い』 「へぇ・・旦那がねぇ」 『・・・・・・』 「身の危険を感じたりしません?」 『たまにするわよ?冗談なのかの見極めが難しいけれど』 たいてい遊びのようなじゃれ合いのようなものだけど、と付け足せば 何とも言えない顔のグソンと顔を合わせることになった 何度か、死ぬかもしれないな・・・と思ったことはあるのだ 「・・・俺のところに来ます?その方が安全だと思いますよ」 『貴方の元が安全という保障はどこにもないわ』 「少なからず、手を出すようなことはしませんよ。鑑賞は、させてもらいますけど」 『・・・それはそれで危険よ』 「そうですかね?」 『年齢的にも、犯罪臭がする』 「まぁ、犯罪者ですがね」 『・・・・・私は、貴方の所には、行かないわ』 「わかってますよ」 「行かせるつもりはないし、渡すつもりもないよ」 『聖護』 「シャワーから上がれば、楽しそうな会話が聞こえたから少し聞かせてもらったよ」 『・・・・・』 「僕からのキスマークを気持ち悪いなんて言うのは、君くらいだよ」 『・・・・・・』 「そこまで嫌な顔をされると、傷つくな」 『・・・・・・』 「なら、残らなければ文句はないのか?」 『?』 「あの、俺の前でいちゃつくのやめてくれません?」 「そうかい?」 『誰がいちゃついてるのよ。嫌がらせして楽しんでるだけじゃない』 「もういいですよ。邪魔者は消えますから」 「ゆっくりして行きなよ。食材なら冷蔵庫に入ってる」 「・・・・・・」 そう言いながら、彼女の前髪をかきあげて口を近づける男を見据える 触るなと抵抗する彼女の手を防ぎ 軽く額に触れる それから、少し続いたそれは、じゃれているだけで 消してその先には進まない 消して同じ場所が触れることはなく 抵抗することも許されない状況のまま彼女はされるがままになった 小さく息を吐く だから、俺は、貴方たちのハウスキーパーじゃないんですよ そう思いながらも じゃれ合ってる2人から目を離し冷蔵庫を開けた ←→ 目次 |