番外9 ソファーの下で縁にもたれながら文字を追っていると 聖護が後ろに座った 髪を触られているのだが たまにあることなので、気にせずに文字を追った 以前切られた髪も、あれから一度も切らずにいれば それなりの長さになったので、遊びがいがあるのだろう 視界の端に見えた、足首に手を這わせれば酷く冷えていた 自分の足首も同様に冷たかったが、 わざわざその丈を選ぶ理由がわからない お洒落だろうか・・・? 余所見をしているとくいっと頭の向きを正された 首のあたりがすーすーする 「今日は、こういう髪型の日だそうだ」 『あらそう』 「興味なさそうだ」 出来上がった頭に触れれば 綺麗に尻尾が2つある 今日が何日かなんて、知らないので尋ねれば2月2日だよと 言われた 「たまには、いい」 『首がすーすーするわ』 「そうだね」と指先で触れられ、ピクリと反応する くるりと向きを変えて聖護の方を見上げた 「今度、簪でも君に贈ろう」 『貴方に簪を持たれたら、私の命に関わる気がするわ』 「僕が贈るんだ。君が自分の髪を結えるようになれば 僕が触れる必要はないだろう?」 『それは、そうね』 「それに、君が持てば身を守る手段になるだろう?」 『そうね、ただ、それをしたまま転がれないのが難点ね』 「・・・それで死なれたら、いくら君への評価が高くとも失望する」 『期待を裏切れるなら光栄だわ』 「勘弁してくれ」と苦笑 くだらない死に方は認めてくれないらしい 後日貰った簪は 実際に髪に付けたのは数回で どちらかというと眺めている時間の方が長かった ←→ 目次 |